60歳は「還暦」、それから天寿を全うするまで何という?

人生100年時代の常識

六十歳を「還暦」として祝うのは、だれでもご存知でしょう。
では、六十歳を2倍して、百二十歳のお祝いは何というかご存知でしょうか?
人生百年時代などと言われますので、六十歳から百二十歳までのお祝いを何というのか、さらに天寿を全うするとは何歳からか、この時代の新常識というべきかもしれませんね。
六十歳から、七十歳、七十七歳、八十歳、・・・ついには百二十歳までのお祝いを何と称するのか、また天寿を全うするとはどういうことか、この機会にその由来を含めてきっちりと学んでおきましょう。
還暦はまだまだ青二才

60歳は「還暦」、「華甲」

十干(じっかん)とは、甲・乙・丙・丁・戊・己・庚・辛・壬・癸。
十二支とは、子・丑・寅・卯・辰・巳・午・未・申・酉・戌・亥。
十干と十二支の組み合わせを干支(えと)として、甲子(きのえね)の干支から始まって60年を経て、再び甲子(きのえね)の干支に戻ります。60年で暦が元の干支に戻ることから、萬60歳(数え61歳)を「還暦」と称して祝います。

干支の巡りは、下記の通り。

1 甲子 きのえね 1924(大正13) 1984(昭和59)
2 乙丑 きのとうし 1925(大正14) 1985(昭和60)
3 丙寅 ひのえとら 1926(昭和1) 1986(昭和61)
4 丁卯 ひのとう 1927(昭和2) 1987(昭和62)
5 戊辰 つちのえたつ 1928(昭和3) 1988(昭和63)
6 己巳 つちのとみ 1929(昭和4) 1989(平成1)
7 庚午 かのえうま 1930(昭和5) 1990(平成2)
8 辛未 かのとひつじ 1931(昭和6) 1991(令和)
9 壬申 みずのえさる 1932(昭和7) 1992(令和1)
10 癸酉 みずのととり 1933(昭和8) 1993(令和2)
11 甲戌 きのえいぬ 1934(昭和9) 1994(平成6)
12 乙亥 きのとい 1935(昭和10) 1995(平成7)
13 丙子 ひのえね 1936(昭和11) 1996(平成8)
14 丁丑 ひのとうし 1937(昭和12) 1997(平成9)
15 戊寅 つちのえとら 1938(昭和13) 1998(平成10)
16 己卯 つちのとう 1939(昭和14) 1999(平成11)
17 庚辰 かのえたつ 1940(昭和15) 2000(平成12)
18 辛巳 かのとみ 1941(昭和16) 2001(平成13)
19 壬午 みずのえうま 1942(昭和17) 2002(平成14)
20 癸未 みずのとひつじ 1943(昭和18) 2003(平成15)
21 甲申 きのえさる 1944(昭和19) 2004(平成16)
22 乙酉 きのととり 1945(昭和20) 2005(平成17)
23 丙戌 ひのえいぬ 1946(昭和21) 2006(平成18)
24 丁亥 ひのとい 1947(昭和22) 2007(平成19)
25 戊子 つちのえね 1948(昭和23) 2008(平成20)
26 己丑 つちのとうし 1949(昭和24) 2009(平成21)
27 庚寅 かのえとら 1950(昭和25) 2010(平成22)
28 辛卯 かのとう 1951(昭和26) 2011(平成23)
29 壬辰 みずのえたつ 1952(昭和27) 2012(平成24)
30 癸巳 みずのとみ 1953(昭和28) 2013(平成25)
31 甲午 きのえうま 1954(昭和29) 2014(平成26)
32 乙未 きのとひつじ 1955(昭和30) 2015(平成27)
33 丙申 ひのえさる 1956(昭和31) 2016(平成28)
34 丁酉 ひのととり 1957(昭和32) 2017(平成29)
35 戊戌 つちのえいぬ 1958(昭和33) 2018(平成30)
36 己亥 つちのとい 1959(昭和34) 2019(令和1)
37 庚子 かのえね 1960(昭和35) 2020(令和2)
38 辛丑 かのとうし 1961(昭和36) 2021(令和3)
39 壬寅 みずのえとら 1962(昭和37) 2022(令和4)
40 癸卯 みずのとう 1963(昭和38) 2023(令和5)
41 甲辰 きのえたつ 1964(昭和39) 2024(令和6)
42 乙巳 きのとみ 1965(昭和40) 2025(令和7)
43 丙午 ひのえうま 1966(昭和41) 2026(令和8)
44 丁未 ひのとひつじ 1967(昭和42) 2027(令和9)
45 戊申 つちのえさる 1968(昭和43) 2028(令和10)
46 己酉 つちのととり 1969(昭和44) 2029(令和11)
47 庚戌 かのえいぬ 1970(昭和45) 2030(令和12)
48 辛亥 かのとい 1971(昭和46) 2031(令和13)
49 壬子 みずのえね 1972(昭和47) 2032(令和14)
50 癸丑 みずのとうし 1973(昭和48) 2033(令和15)
51 甲寅 きのえとら 1974(昭和49) 2034(令和16)
52 乙卯 きのとう 1975(昭和50) 2035(令和17)
53 丙辰 ひのえたつ 1976(昭和51) 2036(令和18)
54 丁巳 ひのとみ 1977(昭和52) 2037(令和19)
55 戊午 つちのえうま 1978(昭和53) 2038(令和20)
56 己未 つちのとひつじ 1979(昭和54) 2039(令和21)
57 庚申 かのえさる 1980(昭和55) 2040(令和22)
58 辛酉 かのととり 1981(昭和56) 2041(令和23)
59 壬戌 みずのえいぬ 1982(昭和57) 2042(令和24)
60 癸亥 みずのとい 1983(昭和58) 2043(令和25)

「還暦」を「華甲」(かこう)とも言います。

「華」の字を分解すれば、六つの十と一とになる。「甲」は甲子(きのえね)の意) 数え年六十一歳の称。還暦。ほんけがえり。
(広辞苑第5版)

七十歳「古希」は、無頼の老人

中国の詩人・杜甫(とほ)の「曲江」という詩に、「人生七十古来稀なり」とあることから、70歳を「古希」と称するようになった。

この杜甫の詩には、「酒債(しゅさい)尋常行処に有り」(酒代の付けはあちらこちらにある)とあり、次に「人生七十古来稀なり」と続く。
つまり、「酒代の付けはあちらこちらにあるが、そんなことは気にするな、どうせ七十まで生きることはむずかしい。それまでにくたばってしまうだろう」ぐらいの意味になる。

詩の最後は、「暫時(ざんじ)相賞(あいしょう)して相違(あいたが)うこと莫(な)からんと」で締めくくられる。
「しばらくはお互いに向かい合って、心を同じくして、このひと時を楽しもうではないか」の意である。

こうしてみると、「古希」老人とは、ヤンキー小僧たちも顔負けの、かなり無頼の老人ということになります。
昔と違って、医療技術も進化して栄養状態も良くなったので、「古希」老人は、そのあたりにゴロゴロいますね。

七十七歳は、「喜寿」

「喜」という漢字を草書で書くと、「七十七」と見えなくもないことから、七十七歳を「喜寿」というようになった。

『五體字類』で「喜」の草書を調べてみると、米芾(べいふつ)の書は、どうにも「七十七」とは見なしにくい。
朱熹(朱子)の書が、なんとか「七十七」に見えなくもない。しかし、どうもこじつけの感がしないわけでもない。
喜の草書体・ まあ、しかし、七十七歳の老人の祝いの言葉としては「喜寿」とはなかなかよろしい。
また、朱熹の名に「喜」が入っているのも縁起がよい。
朱熹自身は、生まれは1130年10月18日、没したのが1200年4月23日であるので、満七十歳になる前に没したことになる。
まことに「人生七十古来稀なり」でありました。

八十歳は「傘寿(さんじゅ)」

「八」と「十」を縦に書くと、「傘」の略字である「仐」に似ていることから、八十歳を「傘寿(さんじゅ)」と言います。
人間八十歳ともなると、傘下の一族郎党、関係者等がかなりの数になるでしょうから、まあこれもよろしいでしょう。

八十八歳は「米寿(べいじゅ)」

「米」の字を分解すると、「八、十、八」となることから、八十八歳を「米寿」と称する。

九十歳は「卒寿(そつじゅ)」

「九十」を縦に書くと、「卒」の略字である「卆」となることから、九十歳を「卒寿」と言う。
そろそろ人生卒業の時か?

九十九歳は「白寿(はくじゅ)」

百から一を引くと九十九。「百」の字から、頭の「一」を取り除くと「白」となることから、九十九歳を「白寿」というようになった。
こうなると、何とこじつけてでも老人の長寿を祝おうとする古人の心に、拍手を送りたくなります。

百歳は「百寿」、「紀寿」

百歳ともなると、何のこじつけも必要はない。ただ「百寿」と申し上げるだけでおめでたい。
百年つまり一世紀を生き抜いたということから、「百寿」を「紀寿」とも称する。これはただただ拍手のお祝いでしょう。

百八歳は「茶寿」、「不枠」

「茶」の字を分解すると、「十、十、八、十、八」となり、10と10と88を足して108になることから、百八歳を「茶寿」と申し上げる。
またまた、こじつけが始まった。
百八歳を「不枠」ともいう。このこじつけが甚だしい。
「枠」の編の「木」を「十と八」と見立て、旁(つくり)の「卆」を「九十」と見立て、数字を合計して百八とする。
ここまでこじつけなくとも、「四十にして不惑」、「百八にして枠を外すどころか、枠自体もない」という「不枠」の方が百八歳のご老体にはふさわしいのではなかろうか。

百十一歳は「皇寿(こうじゅ)」、「川寿(せんじゅ)」

「皇寿」の「皇は、「白」と「王」から成る。「白」は「白寿」で見たように「99」を表し、「王」の字を分解すると「一、十、一」となることから、99と1と10と1とを合計して111歳と見立てる。
このこじつけ、お見事と申し上げるほかない。
「川寿(せんじゅ)」は、見た通り、「川」の字が111と見えることから。

百二十歳は「大還暦」、「惜寿(せきじゅ)」

暦が一巡りして六十歳で「還暦」。六十をもう一巡りするので百二十歳を「大還暦」と申し上げる。
人生百年時代などと言われますので、大還暦のご老人がぼつぼつと現れることを期待したいですね。
「大還暦」を「昔寿(せきじゅ)」ともいう。これは、昔々、大昔から生き続けたご老人というほどの意味であろうか。
さて、「大還暦」で終わりかと思いきや、まだその上がありました。

二百五十歳で「天寿」を全うする

何と二百五十歳を「天寿」と申し上げる。ここまで来て初めて「天寿を全うする」と言うことができる。
仙人でもなけりゃ、二百五十歳の「天寿」を迎えることは難しかろうと思います。
よく九十歳百歳ぐらいで逝去された御老人に対して「天寿をまっとうされ・・・」などと言いますが、二百五十歳の仙人から見れば、「大還暦」の百二十歳も鼻たれ小僧に過ぎません。
下手に天寿をまっとうなどと称すると、仙人さんからおしかりを受けそうです。

以上、ご老人の長寿を祝う言葉の数々でした。

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