伝書鳩と”homing pegion” の日英比較
日本語は、見えない第三者が隠されたアップダウン構造をとり、英語は、単なる二者関係のショートカット構造をとります。
そのことを、「伝書鳩」とその対応語である「homing pegion」を例にとって、確認してみましょう。ここにも日英言語の違いが鮮烈に現れます。
(既に投稿の記事・「携帯」と「スマホ」の日英比較 を併せてお読みいただくと、深く納得されるでしょう。)
「homing pegion」の二者関係
英語は単純明快です。「pegion」(鳩)がいて、その「pegion」は帰巣本能によって巣に帰る(homingする)。その鳩に対して、「homing pegion」と名付ける。それだけです。

この英語のショートカット構造には、隠れた第三者は潜んでいません。
「伝書鳩」には隠れた第三者が潜んでいる
一方、日本語「伝書鳩」には、隠れた第三者が潜んでいるのです。「伝書鳩」とは、伝書する鳩・・・。
ちょっと待ってください。鳩が伝書するのですか?
鳩はただ巣に帰る(homing)だけでしょ。
鳩さんが、オレは伝書するんだと考えてはいないでしょう。
その鳩が巣に帰る(homing)という習性を利用して、人間が鳩の脚に書を付けて伝書するのです。
つまり「伝書」の主体は、言葉奥に隠れた「人間」なのです。

・「人間」が「伝書」する。
・「人間」が「鳩」を使う。
この二つを重ねて「伝書鳩」という言葉になるのです。
日本語アップダウン構造には隠れた第三者が潜んでいる
「携帯電話」と「smart phone(スマホ)」に見られた日本語と英語の構造の違いは、「伝書鳩」と「homing pegion」にもそっくり当てはまります。英語は、目の前の二つだけに絞って言語を組み立てます。
日本語は、目の前の二つだけでは満足しないのです。
目の前の二つの奥の隠れた第三者との関係を、常に常に考慮しようとするのです。
「伝書鳩」のアップダウン構造の図と、「homing pegion」のショートカット構造の図を並べて見比べると、判然とします。(下図)

日本語が、隠れた第三者を考慮しようとするのです。
日本人は無自覚なのです。
日本人ではなく、日本語が自覚しているのです。
無自覚な日本人が日本語を使う。
その時、日本語がアップダウン構造の奥の響きをもたらしてくれるのです。
だから、日本人は、無自覚にして本源世界と繋がるという精神構造になっているのです。
日本語の単語に見られるアップダウン構造は、単語と単語を結びつけると統語法にも見られます。さらには日本語のはたらきによって作られる日本文化にも見られます。
私はそのことを拙著『日本語は神である』において、徹底的に論理的に説明しました。
【読書感想】神様が嫌いな人でも納得
神様が嫌いな人でも、読むと納得できるのではないかと思うぐらいに、分析力が素晴らしいです。
この本を読んで、日本に生まれたことは有り難い事なのだと、改めて感謝したくなります。かなりの良書です。面白かったです。
(神田智恵さん(三重県)
【読書感想】日本語を使うと自然に神とつながる
日本語を使うと、自然に神とつながるのが理解出来ます。
私は、アジアの言葉を10数カ国学んで日本語との比較をしておりました。
この本を読んで、日本語の構造に隠された神意識というものを知り、感覚を越えた眼には見えない世界にこそ、日本語の真髄が隠されていたのか、と新しい発見でした。
日本語の曖昧な表現は、実は精密な神意識の表れでした。
【大中洋道さん(大阪府)】
【読書感想】 目から鱗が落ちまくる!
普段、なんと無く使っている日本語。
まさか、神を介しているとは!
翻訳の仕事をされていた方だからこそわかるものすごい真実。
私達はもっと自信を持ってもいい。
【んみゃさん】
『日本語は神である』は、日本人の意識を深層意識のレベルまで掘り下げて、論理的に明快に日本語のすばらしさ、日本人と日本文化のすばらしさの秘密を解き明かしています。書籍のみならず、解説動画やオーディオブックも用意しています。ご視聴、ご一読を乞います。