(12) 金木犀と銀木犀のご神名?

1.キンモクセイとギンモクセイには「本名」がある

銀木犀ギンモクセイ

 家内がギンモクセイ(銀木犀)の苗木を買ってきた。(左の写真は、銀木犀(ギンモクセイ)、楽天・土っ子倶楽部より。)

 ギンモクセイ(銀木犀)は、秋に甘い香りと共に白い花を咲かせてくれる。
 キンモクセイ(金木犀)は、黄金色の花を咲かせる。

 このキンモクセイ(金木犀)とギンモクセイ(銀木犀)に、「本名」があることをごぞんじでしょうか?
 いえ、学名ではありません。
 その働きを表す名乗りですので、「本名」といってもよろしいかと思います。

「名は体を表す」と申しまして、人間に限らず、事物の名乗りにも、その実体が表れていることがあります。

 キンモクセイの学名は、Osmanthus fragrans Lour. var. aurantiacus Makino 。
 ギンモクセイの学名は、Osmanthus fragrans Lour. var. fragrans 。

 ともに"fragrans"(香り)が付いているのは、甘い香りを発するからでしょう。また、キンモクセイの学名に、Makinoとあるのは、日本の植物学者、牧野富太郎博士に因(ちな)むものでしょう。

 このように、学名にもキンモクセイとギンモクセイの実体が幾分か表現されています。

 実は、キンモクセイとギンモクセイには、その働きをもっと深く表現する名乗りがあるのです。

2.キンモクセイ(金木犀)の本名と働き

 キンモクセイは、「本名」を フミオエコトバナ と申します。
 漢字を当てると、踏音開言花。

 秋になって、キンモクセイが黄金色の花を咲かせ甘い香りを漂わせますと、人間がその香りに惹かれて、キンモクセイに近づいて来ます。

 その時、人間が大地を踏みしめる音が出る。
 その音(踏音・フミオ)に共鳴してキンモクセイが開く(開・エ)エネルギーの世界がある。
 エ(開)の言霊には、開く、分かれるという意味がある。
 幹から開くのが エダ であり、エイと気合いを掛けて刀を振るのは、一つのものと二つに開いて分けるという言霊の力の活用である。
 フミオ(踏音)→ エ(開)→ コトバナ(言花)

 何を開くのかというと、生命力新生増強の世界を開くのです。

 暑い夏を過ごして、人間の身体に疲労がたまって来ます。
 秋になって、キンモクセイが黄金色の花を咲かせ、甘い香りを発します。
 人間が喜んで、そのキンモクセイに近寄りますと、フミオエコトバナ(踏音開言花)の働きを表しまして、人間の疲労を回復してその生命力を新たにするというエネルギーを発散するのです。

 そういう言霊を秘めた花(コトバナ)がキンモクセイであります。

 キンモクセイ、別名をフミオエコトバナ(踏音開言花)と申し上げるとは、そういう訳です。

 ただの植物かと思っていたら、どうして、どうして、これほどの働きを人間に及ぼしてくれているのです。

 これほどの有り難い働きを表している、この別名をこそ、「本名」と申し上げてもよろしいのではありませんか。

3.ギンモクセイ(銀木犀)の本名と働き

 ギンモクセイ(銀木犀)は、「本名」を シロガネコトバナ と申します。
 漢字を当てると、白銀事花。

 シロガネコトバナ(白銀事花)は、少し特殊な働きをもっています。

 ギンモクセイ(銀木犀)の花、シロガネ(白銀)とは、星のこと。
 白い花弁の一つひとつが星だと思ってください。

 シロガネコトバナは、星の力を集めて、事を現実化していく力をもたらす花(事花)であります。

 ただし、その力を用いることができるのは、その人の霊魂がそれにふさわしい在り方をしていなければなりません。

 星の力を集めて現実を作っていくことができるという霊力を持つ人にして、初めて、ギンモクセイ(シロガネコトバナ)の恵みを受ける事ができるのです。

 キンモクセイ(金木犀)を植える人は多いのですが、ギンモクセイ(銀木犀)は植える人が甚だ少ないのは、こういう事情もあってのことでしょう。

4. 神名は働きを表す

 神名というものは、その神の働きを表すものです。
 神名すなわち働きなのです。

 したがって、神祀りにおいて、必要な神々のご神名を正しくお唱え申し上げる事ができれば、それでその神々の働きが表れますので、ご神名を唱えるということが祀りにおいては、とても大事なこととなります。

 フミオエコトバナ(踏音開言花)、シロガネコトバナ(白銀事花)という働きがあると分かれば、

キンモクセイ(金木犀)のご神名はフミオエコトバナ(踏音開言花)、
ギンモクセイ(銀木犀)のご神名はシロガネコトバナ(白銀事花)

と申し上げてよろしいのではありませんか。

5.山川草木の霊力を讃える

 ただの草花だと思ったら、お間違い。
 キンモクセイもギンモクセイも、これだけの働きを持っていたのです。

 山川草木(さんせんそうもく)悉皆成仏(しっかいじょうぶつ)、と言ったのは釈尊でした。

 日本人は昔から、山川草木悉くに霊力が宿ると考えていました。
 草木には草木の働きがあり、山川には山川の働きがあるのです。
金木犀の苗木

 榊(サカキ)には、あの世とこの世をつなぐ働きがあります。
 塩には清めの働きがあります。

 その他、グミの木を神宝として神祀りに用いることがあり、水晶は勿論広く祀りに用いられています。

 一木一草が、それぞれの働きを持ち、動物も鉱物も、それぞれの存在意味があることに想いを致すと、この天地は、創造神の一大交響曲が奏でられる大舞台と感覚できます。

 人間は、人間のすばらしさを讃えると共に、
 天地自然の一切の存在物のすばらしさを讃えるべきでしょう。

【参考】金木犀の苗木 → 【楽天】庭木:金木犀(キンモクセイ)(根巻き) 樹高:約100cm-120cm
【参考】銀木犀の苗木、→ 【楽天】庭木:ギンモクセイ(四季咲き) 樹高約100cm 全高約120cm
【参考】名前のナの言霊については → 【2】水無月(水有る月)にナの言霊の力を想う
【参考】腹を鍛ええ丹田呼吸を → 【20】石を抱いて実腹せよ