(9) ジョギングに学ぶマインドセット(mindset)

1.マインドセットに対するマインドセット

 最近、ジョギングを再開しました。
 数年前まで、ほぼ毎日5kmを走ることを日課にしていたのですが、久しぶりの再開で、3kmを走るのがやっとの思いです。

 ところがマインドセットを少し変えてみたところ、はっきりと変化を感じることができました。

マインドセット(mindset)という言葉をあちらこちらで見かけます。

ビジネスには、先ずマインドセットが大事、セールスレターを書くのも、まずはマインドセットを確立して・・・等々。

マインドセット(mindset)とは、ある物事に対する心の持ち方、つまり心掛けですね。

このマインドセットひとつで物事の進み具合が大きく変わります。

マインドセットの話をすると、大抵の人は、否定はしません。だって、当たり前のことですから、話を聞くと、当たり前のように思えるのです。

ところが、それが腹には入っていない。

あたまで分かるということと、
腹に収まるということは全く別物です。

つまり、マインドセットに対するマインドセットができていない場合がはなはだ多いのです。

2.速聴ファイルのマインドセット

 家内の母親の老化防止と健康維持の為に、
速聴音声ファイルをあげて、それを聴く際のマインドセットについてもしっかりと話して聞かせました。

本人さんは、ハイハイと納得してくれました。

しかし、受け取ってはいなかったのです。

その速聴音声ファイルは、ある同一意味の文章の

日本語2倍速、
日本語4倍速、
英語2倍速、
英語4倍速

からなるものでした。

通常の2倍速4倍速の音声ファイルを速聴することにより、それまで活動していなかった大脳細胞が刺激を受けて脳力開発、健康増進に大いに寄与するのです。

その際には、4倍速の内容が聞き分けられなくてもよいのです。意味を取ろうとせずに、ただひたすら音の塊を聞き取ることに意識を集中して聴くのがよろしいのです。

音の塊が聞き取れるようになってから、次に意味の塊を受け取るという手順を踏むのがよろしいのです。

英語の意味が分からなくても、まずは、英語の音の塊を聞き取る。
しかる後に、聞き取れるようになった音の塊と意味とのつながりをつける。

これが、実績ある英語学習法のメソッドでもあるのです。

これが速聴の効果を得る為のマインドセットです。

家内の母親には、この速聴マインドセットを繰り返し話して聞かせ、本人もハイハイと相づちを打ってくれました。

つまり、否定はしないのです。
むしろ、肯定してくれたように、私も本人さんも思いました。

しかし、彼女はこのマインドセットを受け取ってはいなかったのです。

数日後に、確かめると、彼女は、英語の2倍速の意味がわからないというので、しょっちゅう日本語ファイルに戻って、何とか英語の意味を知ろうとしていたのです。

つまり、速聴マインドセットはどこ吹く風と、自分のこれまでのやり方に戻って、我流を通していたのです。

オーマイマーム!(ああ、お母さま!)
これでは、速聴の効果も薄れてしまいます。

ハイハイって言ったでしょう。
だから、そうじゃなくって、・・・。

などとはおくびにも出さず、にっこり笑って、さらに繰り返して速聴マインドセットをご説明申し上げた次第。

ふーっ、うちのカミさんより疲れる。

大体、これが、世の中一般の人々の平均的なあり方だろうと思います。

聞いてるようで、聞いていないのです。

ハイハイと言ってくれても、指導者たるものは、そのハイハイがどういう意味のハイハイなのか、
深く洞察しなければなりません。

3.合気道の技のマインドセット

同じことは、当然、体育系でも起こります。

私は、学生時代に合気道部に所属していました。物理学科を出たのですが、学問はそっちのけで合気道に没頭していました。

「合気道部の物理学科卒業」とよく言っていたものです。

後輩を指導する立場になって、つくづく思わされたことは、合気道の技も、技のマインドセットひとつで雲泥の差が生じるということです。

たとえば、相手の腕をねじり上げて畳に押しつけるという技があります。
ある後輩が、どうしても相手を畳に押しつけることができずに苦労している。

それをよく観察しますと、
なぜ押しつけられないのか、その理由がわかりました。

押しつけないから、押しつけられないのです。

単純明快!

その後輩は、相手の腕を畳に押しつけるという技のマインドセットを
持っていなかったのです。
本人さんは、畳に押しつけるという技を稽古しているつもりなんです。
しかし、畳に押しつけようとしていないのです。

畳の50cmほど上のレベルで、自分の手を水平に横滑りさせてしまい、自分の手を垂直方向におろして畳に押しつけるということをしていなかったのです。

つまり、畳の上の方で手を水平運動しているものだから、畳に自分の手も相手の腕も届くわけはない。

自分で畳に押しつけることをしないでいて、つまり、技のマインドセットを無視して、この技はむずかしい、むずかしい、と言って苦労している。

その点を指摘して、畳に押しつける技だから、心を用いて、畳に押しつけなさい、技のマインドセットを本当に受け入れなさい、と指導したところ、いっぺんでできるようになりました。

心が、畳に押しつけようと本当に思ったから、畳に押しつけることができたのです。

合気道の技にも、マインドセットが必要なのです。
こういうことは、体育会系の学びに度々起こるものですね。

4.ジョギングのマインドセットで効果覿面(てきめん)

ジョギングを再開して、3kmでもうへとへとになりました。
それは、数年前のタイムに何とか戻したいと思って、タイムを気にしていたからです。

1周1kmのコースを走るのですが、今日は5km走ろうかと思って走り始めても、1週2週となると、心がくじけて、もう3周でやめておこうと、こうなってしまいます。

そこで、ハタと気づいて、ジョギングのマインドセットを変えてみました。

1)速く走ろうというマインドセット
2)走りを楽しもうというマインドセット

1)から2)に切り替えて走ったところ、

なんと2周目過ぎて、いつもならもうこれでたくさん、これでやめようという思いが出る地点にさしかかっても、もっと走っていたいと思えるようになったのです。

4キロ走っても5キロ走っても、身体はそれを楽しんでくれるのです。

なるほどねえ・・・。マインドセットとは、こういうことだったのか。

5.マインドセットに対するマインドセットを深めよう

そういう次第でありますので、このマインドセットなる代物(しろもの)が、人間の行為全般に、はなはだ大いなる影響を及ぼしていると言うことを、しっかりと認識して、しっかりと腹に収めて戴きたいと思うのです。

マインドセットは、人間の営為のあらゆる局面で、大きな力をふるいます。

マインドセットの重要性をしっかりとマインドセットして下さい!

えっ? ハイハイ・・・ですって。

うーん、軽い返事だなあ、だいじょうぶかなあ。

【参考】・寒さに対するマインドセットは、→ 筆録(11) 二月極寒の冷水浴
【参考】・万引きに対するマインドセット?→ 筆録(13) 万引きの極意は無心にあり?