天照大神 (その1)
1. 天照大神は日本の代表神
神国日本といわれ、日の本つ国といわれる日本には、八百万(やおよろず)の神々がおわします。
八百万の神々を代表する神様を一柱(ひとはしら)選ぶとすると、どの神様が選ばれるでしょうか。
人間が神様の選挙をするなどは、とても恐れ多いことですが、仮の話として想像を巡らせますと、日本人が選ぶなら当然、人気投票第一位は、天照大神さまでしょう。
実は、この日本人の感覚には、神様の世界の構造が映っておりまして、人間の勝手な人気投票などというものではございません
。
天照大神は日本の代表神。
こう申し上げて、天地にはばかるものではございません。
代表は代表でありまして、一番お偉いという意味ではございません。もっとお偉いと申し上げればお偉い神様方は、天地創造神界に多数いらっしゃいます。
でも、天照大神は、それら高貴なる神々をも代表してお出ましになります。
日の本つ国の代表神、天照大神でございまず。
2. 天照大神は天皇家の祖神
天照大神が日本人にこれほど尊ばれているのは、次の二つ理由が考えられます。
・日本列島が太陽と深く関わる
・天照大神は天皇家の祖神である
第一に、日本という国名に現れているように、日本列島と太陽(お日様)との関係が深いということがあります。
日の本つ国とは、太陽神界の根っこから生まれた国ということです。
つまり、地球上に太陽を映して日本列島があるというわけです。
であるが故に、日本列島にすむ日本人は、とりわけ太陽の神様である天照大神を尊ぶのです。
第二に、天照大神は天皇家の祖神であるということがございます。
日本人の潜在意識、というよりは、もっと深い深層意識に、天皇様を尊ぶ心が遠い昔から連綿と伝わっておりまして、その天皇様が天照大神につながってらっしゃいますので、日本人は深く天照大神を尊び敬うのです。
肉体をお持ちの天皇様のご先祖が、天照大神という神界のご存在であるということに、疑問を抱かれるかもしれませんね。
神霊がこの現世(うつしよ)に肉体をとって誕生なさるということは、いくらでも現実にあるものです。
そもそも、あなたご自身のことをお考え下さい。
一個の人間が肉体を取っている、その奥の見えない世界に、あなたの奥の世界があり、それがこの世のあなたとつながっているのです。
ここで詳しくは申しませんが、出雲大社の国造((出雲大社では宮司のことを国造(こくぞう)様とお呼びします。))(こくぞう)家の祖神が、アメノホヒノ神であることや、物部氏の祖神がウマシマジノ神であることなども、同様にお考え下さい。
天照大神と、それを祖神とする天皇様とを、等しく尊ぶのは、日本列島にすむ日本人の当然の心持ちといえるでしょう。
3. 天照大神は男神と女神の統一神
天照大神が男神であるのか女神であるのか、議論されることがあります。
実は、天照大神とは、男神と女神がを二つ合わさったお姿というのが真相です。
・男神 ヒルゴ
・女神 ヒルメ
ヒルゴとヒルメを合わせて天照大神と申し上げるのが本当のところと心に収めてください。
伊勢神宮に祭られているのは、天照大神の女神の側であります。
ですから、伊勢神宮にお祭りされている天照大神は、女神様ですと広く認識されているのです。
では、男神様はどちらにお出でましでしょうか。
男神様を、饒速日国造天霊留児大神(にぎはやひくにつくるあめのひるごのおほかみ)と申し上げ、北海道大雪山にお出ましになることがあり、最近では、奈良県と大阪府の境にある生駒山に神躍を振るっておられます。
● この記事の後半は → 天照大神(その2)