人を恐れぬヤブ蚊が恐れるものは

ヤブ蚊は人を恐れない

近くの川の縁を自転車で走行していて、ヤブ蚊の大群に突き当たることがあります。
一瞬、顔面に砂をぶっかけられたような感じがします。
目といわず、口と言わず、どこへでも遠慮なしにぶつかってくる。
目の中に飛び込んでこられると一番困ります。

ヤブ蚊たちは、人が近寄っても逃げようとはしません。
彼らは、人を恐れるということがありません。

もちろん、捕まえようとして追いかけると、逃げるとは思うのですが、基本的に彼らは人間を始め、哺乳動物を恐れて近寄らないと言うことはないでしょう。むしろ、哺乳動物に近寄ってきます。

そりゃそうでしょう。
蚊が人を恐れて近寄らなければ、血を吸えないのだから、彼らの商売あがったりですね。

だから、彼らのDNAの中には、人や犬などの哺乳動物を恐れるという情報は入っていないでしょう。
むしろ、エサである暖かい血を求めて、哺乳動物に近寄ってくるのです。

では、そういうヤブ蚊たちが恐れる動物はいないのでしょうか。

蚊が恐れるのはトンボ

ヤブ蚊の集団に、人の集団が近寄っても、彼らは逃げようとはしません。
エサが近寄ってきたというほどのことでしょう。
ところが、そこへトンボが一匹近寄ってくると、ヤブ蚊たちは雲散霧消して逃げ去ります。
トンボは、蚊を捕らえて食べるからです。

身の丈に応じた恐れ

人間とトンボと、どちらが強いか。
もちろん、人間の方が強いに決まっている。

しかし、ヤブ蚊にとっては、人間は恐れるに足らず、トンボはまことに恐ろしい存在であるのです。

このように、何を恐れるかということも、己の身の丈に応じた恐れこそが、もっとも恐ろしく感覚されるのです。
己の身の丈をあまりに大きく外れると、恐ろしさすら感じないのでしょう。

このことを人生に当てはめてみると、色々と考えさせられることがありますね。

地球の危機より、明日のメシ

今生きていくことに汲々としている人に、地球の危機など考える余裕はありません。その人にとっては、明日のご飯をどう調達しようかということが、一番の問題であって、世界とか地球とかは眼中にはいりません。

ヤブ蚊が恐れるものは、トンボであって、トンボよりもはるかに強力な破壊力をもつ人間は、恐れの範疇には入らない。

同様に、己一個の幸せをのみ追求する人に、社会の、国の、地球の、あり方が己一個の幸せの根底にあることが理解できない。

ああ、今日もまた、ヤブ蚊の群れに悩まされながら、自転車を走らせるのか。

日本語は神である・びっくり驚いた