火継ぎ(ほつぎ)祭り(3)

火継ぎする精(せい)は霊魂ではない。
肉体があり霊魂があるということは良く知られているが、この精の知識が宗教者といえどもあまりに乏しい。
憑依現象ということがある。
この宇宙には何とも名状しがたい生き物がいて、それが人間にとりつくことがある。
とりついた化け物は人間の何を食らうのか。
体を食らうのでもなく、霊魂を食らうのでもない。
精を食らうのである。
そこから、肉体でもなく、霊魂でもない、精の存在が感覚できるであろう。

人は父親から精を承け、母親から体を承けて、この世に人間として誕生してくる。
この精の流れが、姓の流れである。
養子に入った婿殿は、そのままでは、その一族の精を承けていない。
つまり、精の流れが断絶している。
それを血筋の乱れという。
そこで精を受け継ぐという祭り、すなわち火継ぎ祭りが必要となる。
【参考記事】
* 婿養子には火継ぎ祭りが必要(血筋の乱れを防ぐ)
* 火継ぎ(ほつぎ)祭り(1)
* 火継ぎ(ほつぎ)祭り(2)
* 人間誕生の秘儀(父母産土)