バカの壁と日本語アップダウン構造
1. バカの壁を崩す日本語アップダウン構造
先年、『バカの壁』(養老孟司著)がベストセラーになりました。
今回は、バカの壁とアップダウン構造について考えてみましょう。
イスラム原理主義者とアメリカが話し合ったところで、「話せばわかる」わけではない。そこに「バカの壁」があって、コミュニケーションを阻んでいるからである。
この「バカの壁」は、どうにもならないものでしょうか。
どうにもならないとして放っておくわけにもいけませんし・・・。
「バカの壁を崩すアップダウン構造」とタイトルを付けましたが、アップダウン構造が魔法のように働いて人類の意識が変わるわけでもありません。アップダウン構造は、確かに「魔法のような」キーワードではありますが、「魔法」ではありません。強固な強固な「バカの壁」が、そう簡単に壊れるものではありませんね。
しかし、人類が作ってきた社会を人類が変えて行こうとするときに、今の地球人類が持っている資源、物質的資源と精神的資源を用いて努力する以外に方法はないわけです。
そこで、人類の精神的資源を見渡して、例えばアラブとイスラエルの間に立ちはだかる「バカの壁」を壊す力を探してみると、出てくるのは次の2つでしょうね。
(1)真の祈り
(2)アップダウン意識
「祈り」とだけ言いますと、残念ながら不十分ですね。「真の祈り」と言わねばなりません。
「真の祈り」と「アップダウン構造」と二つに分けましたが、実は、日本語が、この「真の祈り」を内蔵しているのです。
つまり、日本語のアップダウン構造です。
(宇宙法則、神)・・・・深層意識
↓ ↑
↓ ↑
ダウンする ↓ ↑ アップして
↓ ↑
↓ ↑
(あなた)←・・・・・ ( 私 )・・・表面意識
(日本語のアップダウン構造)
今の地球人類が持っている「バカの壁」の最大のものは過てる宗教意識ではないでしょうか。
例えば食事一つ取るにしても、キリスト教徒はキリスト教の神(ゴッド)に対して祈りを捧げます。
イスラム教徒だったら、いや、アラーにこそ祈りを捧げるべきだ」とがんばるでしょう。
食前の祈り一つが、意識の持ち様によっては、紛争のタネになりかねないのです。
過去の宗教が人類を導いてきたという役割には、充分敬意を払うのですが、同時に、今の地球世界の紛争の最大の原因が宗教であるということも事実です。
祈りが紛争の種になるのです。イノリがねえ・・・。
神に祈りを捧げることが、紛争のタネになるという、ショートカット意識の悲しい現実があるのです。
だから、「真の祈り」が必要ですというのです。
そこで、アップダウン構造の登場です。
「いただきます」と一言いって、神様も仏様も、天地自然の有り難さ もすべてアップダウン構造の奥に隠してしまえば良いのです。 隠してしまいながら、心の奥底では、神仏や天地自然に感謝しているのです。
「いただきます」には、キリスト教徒も、イスラム教徒も、仏教徒も、反発しようがありません。
これがアップダウン意識の素晴らしさです。
繰り返しますが、アップダウン構造は「魔法」ではありません。アップダウン構造で簡単に人々の意識を変えられるものではありませんでしょう。
しかし、今、人類の持っている精神的資源の中から、「バカの壁」を崩すのに何か役立つものを持って来ようとすると、アップダウン構造が、断然光を放ってくるのです。
世界中の人々が、過去のショートカット的宗教意識にがんじがらめになっている状況を見れば、そこから抜け出て、アップダウン意識を身に付けて戴かねば、地球人類の進化は望みようがありませんでしょう。
そのためには、日本で生まれ、日本で育ち、日本語アップダウン構造の中にどっぷりと浸かっている皆さん方に、アップダウン構造を自覚して戴く必要があります。
アップダウン構造を自覚して、日本人の心のあり方を世界に示していただくことですね。
三度繰り返しますが、日本語アップダウン構造で、過去の宗教意識の「バカの壁」を簡単に崩せるものではありません。
しかし、出来ない、出来ない、難しい、というばかりでは、埒(らち)があきません。
過去の宗教意識の「バカの壁」を崩すのは、死ぬほど難しいと思うのですが、それでも何か一つ、人類に残された可能性を探るとしたら、それは日本語アップダウン構造しかないとい思うのです。
「バカの壁」を崩せるものがあるとしたら、それは日本語アップダウン構造であると思うのです。
日本語は、日本列島の響きです。日本列島に生まれ、日本語を話す日本人が、日本語のアップダウン意識を世界に示していくことしか、私たちの採り得る道はありませんね。
日本語のアップダウン意識とは、日本精神です、日本文化です。
日本人が、日本語のアップダウン意識を世界に示して行くということが、祭祀民族、大和民族たる日本人の生き方でありましょう。