ありがとうの言霊で深層意識の扉を開く

1. 意識の三層の流れ(表面意識、潜在意識、深層意識)


 前の記事「潜在意識を浄化して深層意識へ」において、人間の意識が三層をなしていることを述べました。

   表面意識 >> 潜在意識 >>> 深層意識

 この三層の流れは、海流の三層の流れと似通っています。
 そのことを述べた文章を拙著『日本語は神である』から引用します。

 潮の流れには、上潮、中潮、底潮の三層があって、それぞれ速度と方向が異なります。
 暖流と寒流とがぶつかる日本近海では、上潮からわずか数十メートル下の中潮や底潮が、表面の上潮とは逆方向に流れているということもあるのです。 
 そのような場合に、表面の上潮のみを見て網を投げ入れると、深層の逆潮流の巨大な力によってさすがの頑丈な網もねじ切られてしまいます。
 人間の意識も潮流と同様に、三層を成しているようです。・・・(中略)・・・
日本語は神である・日本精神と日本文化のアップダウン構造 表面意識、潜在意識、深層意識の三層は、必ずしも同じ方向に流れている訳ではありません。一般人の意識は、潮流と同じく、三層がそれぞれ別の方向に向かって流れていると考えられます。
 「表面意識」が右へ行きたいと切実に願っていても「潜在意識」が強力に左の方向に流れているならば、頑丈な網がねじ切られるように切実な願いもねじ曲げられてしまいます。
『日本語は神である・日本精神と日本文化のアップダウン構造』p.192- 193より)


 底の流れの力というものは、魚網をねじ切るほどの大きなものなのです。深層意識の流れに逆らって、ちょこちょこと願望を念じたところで、また「潜在意識」を操作して願望成就を図ろうとしたところで、深層意識の大いなる力にはかないません。

 実例を一つ披露しましょう。
 大峰本宮・天河大弁財天社の宮司、柿坂氏はお名前を「神酒乃祐(みきのすけ)」とおっしゃいます。宮司になる前に、いくつかの俗業を試みたのですが、どれも行き詰まって身動きできなくなりました。どうしようも無くなって、当時さびれていた天河大弁財天社の宮司とならざるを得なかったのです。ところが、この人が宮司になってみると、ご祭神の神威が大いに発揚され、今日の大隆盛を見るに至ったのです。この御方は、宮司になるというお役目を背負って生まれたお人なのですね。

 表面の意識で、また潜在意識で、あれをやりたい、こうなりたい、と望んで、さまざまなビジネスに手を出して励んだところで、深層意識の大潮流の前には、むなしく流されてしまわざるを得ません。
 天河の宮司さんも、神酒乃祐(みきのすけ)の名乗りを活かす道に入ってようやく、深層意識の流れに乗ることが出来たのでしょう。

 打ち乗るべきは、深層意識であります。
 それこそが人間の本心、宇宙意識、神意識であります。

2. 日本語ありがとうの言霊で深層意識の扉を開く


 それほど有り難い深層意識の扉を開くにはどうすればよいのでしょうか。

 祈ることです。
 祈りとは、一念凝らして願望実現を願うことではありません。
 願望は願望です。祈りではありません。

 祈り(イノリ)とは生命(いのち)を宣(ノ)リ出すこと。
 生命の響きを宣(ノ)リ出すことが、真実の祈りです。
 正しい宗教は正しい祈りを教えるところですが、願望実現(潜在意識の実現)をもって宗教と勘違いしている向きも大いにありますね。

 実は、日本語が、この意味の祈りを内蔵しているのです。その正体を、私はアップダウン構造と名付けました。

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@ @
@        (宇宙法則、神)・・・・深層意識       @
@                              @
@          ↓ ↑                 @
@         ↓   ↑                @
@ ダウンする  ↓     ↑  アップして         @
@       ↓       ↑              @
@      ↓         ↑             @
@                              @
@     (あなた)←・・・・・ ( 私 )・・・表面意識   @
@                              @
@      (日本語のアップダウン構造)            @
@                              @
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 日本語アップダウン構造のなかでも、とりわけアップダウン構造を鮮明に現わしている「ありがとう」の言霊を使って、深層意識の扉を開く方法を考えてみましょう。

 要は「ありがとう」を繰り返し唱えるのですが、世間では口早に数多く唱える方法が広く流布されています。それも結構ですが、言霊の意味を心得ていただくと一味違った感覚で「ありがとう」を唱えることができるかと存じます。
 紙幅が限られていますので、要点のみをザックリと述べます。

ありがとうの言霊


 日本語ありがとうに含まれる言霊の力を、一音一音確かめてみましょう。
 ア: 本源の光。
 リ:循環転回。アの光が循環転回してゆく。ラ行はすべて循環転回を表します。モノを落としてアララ・・というのは、そのモノといっしょに転がっている様。
 ガ:カは隠れた存在、神。ガは神々の集合、神波。それは、めったにありえない恩寵である。
 ト:本源の神波、光がそこにあって循環転回している。まことに得がたい恩寵であるが、そこにト(扉)が立ててある。しかしそこをトーーッと通(トオ)りぬけていくのもまた、トの言霊の力。
 ウ:浮(ウ)かび上がり、動(ウゴ)かす力。
 ゴ:御(ゴ)。尊い存在を尊ぶ。
 ザ:座(ザ)。尊い存在がおわします座。
 イ:居(い)。尊い存在が尊い座に居(イ)らっしゃる。イはまたイノチの響きでもある。イノチの響きがそこに循環転回しているから、イルという。
  無生物はイノチは持たないが本源の光(ア)によって成り立っているからアルという。犬がイル、鉛筆がアル、の使い分けは、そういうわけ。
  イはさらに、一切を集める力がある。イーーッと唱えながら、己の一切を御座(ゴザ)に集めるとよい。
 マ:マツリのマ。イーーッで己の一切を御座(ゴザ)に集めて、マーーでマツリする。
 ス:統(ス)べる。天皇は一切を統(ス)べ給うのでスメラミコトと申し上げる。スーーと唱えながら、己自身を御座(ゴザ)に統(ス)べていく。スーッと入っていくわけ。

 さあ、どうですか。
 アリガトウゴザイマスがこのような言霊で成り立っていると知ったならば、一万回十万回と口早に唱えるのもよいのですが、時には、産土神に向かって、あるいは宇宙の根源に向かって、あるいは己の深層意識(本心)に向かって、

  アーーーリーーーガーーートーーーウーーーーーーーーーーーーッ

で浮(ウ)かび上がってくる尊い存在(深層意識)に対して、

  ゴーーーザーーーイーーーマーーースーーーーーーーーーーーーッ

でその存在(深層意識)の中にスーッと入っていくのもよろしいのではありませんか。

 こう考えると、「ありがとうございます」を数ある祈りの一つとして加えてもよろしいでしょう。
 言霊の活用法、深奥無限の広がりがありますね。

 日本語アップダウン構造を深く礼拝なさることです。
 日本語を使わせていただける己が身を深く礼拝なさることです。

 ヤマト心よ、永遠(とは)にさちはえ!

3.編集余録


●次号予告「バカの壁を崩すアップダウン構造」
 養老孟司著『バカの壁』が一時期ベストセラーとなりました。そのバカの壁を崩す可能性がアップダウン構造にはあるということについて述べます。

●「カンボジア人に日本語を教えているのですが、教えながら、日本人ながら日本語の奥深さにびっくりしているところでした。」
 最近トランスペースのメール会員に登録していただいた「平井里枝」さんのコメントです。カンボジアでこのメルマガ読んで戴いているのですね。拙著も特別にかの地へ送って差し上げました。カンボジアの人々に日本語の心を伝えてくださいますように。

●友の会の登録はもう済まされましたか。(登録無料)
 これまで、報いることの少なかった会員の皆様に、これからは格別のプレゼントをささげたいものだと考えております。ぐずぐずせずに、お早めに。

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 トランスペースの本
『日本語は神である・日本精神と日本文化のアップダウン構造』昌原容成・著
 日本語は、見えない世界にアップして、見える世界にダウンする。
 日本語アップダウン構造を知ることによって、日本語の言霊の力をいっそう強く発揮することができる。
子育て絵本『たんじょう日ありがとう』
「ありがとう」の出発点は、自分の誕生への感謝から。誕生日とは両親と産土神への感謝の日であると、子供たちに教える。
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「産土神社の探し方」
 自分の「産土神社」を探す人が増えています。今一番の人気ページ。
産土神の霊験記(1)「産土神はさ迷える霊魂に行き先を示す」
 神祭りなどしたことのない普通の主婦が、21日間産土参拝してさ迷える霊魂を救い上げるという実話。
●神名解説 「天照大神(1)」
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