【神道06】産土神の霊験記(1) さ迷える霊魂を導く
1.産土神はさ迷える霊魂の行く先を示す
産土神の働きの一つに、死後の霊魂の行く先を示すということがあります。
産土神から死後の行く先を示される人は幸いですが、中には産土神の恵みから外れて、行き先が分からずにさ迷える霊魂もあります。
そのさ迷える霊魂が、この世の人に災いをもたらすことも多々あります。
そういう場合に、産土神のお力をお借りして、さ迷える霊魂に行く先を示していただくと、その霊魂が安定します。
私が経験した実例を一つ挙げて、産土神のご神徳を仰ぐよすがとしたいと思います。
2.(実例)産土神の力でさ迷える霊魂を導く
2-1. 子供たちの霊魂が家で騒ぐ
兵庫県は三木市に住む人から、家に子供たちの霊魂がさ迷っているようで、何とかなりませんかと相談がありました。
子供たちの霊魂ゆえ、家人に危害を加えるような気配はないのだが、なにやらザワザワと騒がしくて落ち着かない。
お祈りやら、護符のようなものを家の周りに埋めるやら、いろいろと手を尽くしたのだが、どうにも収まらない。
そこで出来るならば、私に来てみたま祭りをしてもらいたいという相談でした。
数年前に、その人の新築家屋が完成した際に、私が落成祭をお仕えしたことがあり、そのご縁をたどっての相談であったのです。
2-2. 自己解決の道を示す
実は、これまでに似たような相談をいくつか受けておりました。
その際に、私が心がけていることは、出来る限り、’相談者ご自身で解決していただく"};ようにお導きさせていただくということです。
トランスペース研究所を立ち上げて、人間理性の成人を謳い、
今、太陽の新時代
と申し上げている立場上、過去の宗教に見られるように、力ある者に頼らせるという道は取らず、ひたすら自立への道を歩んで戴くように提言すべきであると思うのです。
頼らせること、すがらせることは、人間を奴隷根性に貶(おとし)めるほかありません。
自己内面の神性を輝かせて、自ら一柱の神として、八百万(やおよろず)の神々とともに生きる。
それこそが、太陽の新時代の人間の行き方でありましょう。
2-3. 二十一日間の産土参拝
そこで、相談者には、次のようにアドバイスしました。
子供たちの霊魂は、行き先がわからずにさ迷っている。
これを強烈なエネルギーでもって祓ってしまっては、根本的な解決にはならない。
この家がだめなら、よその家で、ということになるだけである。
だから、迷っている子供たちの霊魂に、本来の行き先を教えてあげる必要がある。
しかし、普通の人間には、その行き先がわからない。
ところが、産土の神様は、死後の霊魂の行き先をよくご存知である。
そこで、あなたのなすべきことは二つ。
・二十一日間、産土神社に参拝して、産土の神様に子供たちの霊魂の行く先を教えてやって下さいませとお願いする。
・子供たちの霊魂に対しては、私と一緒に二十一日間産土神社に参拝して、産土の神様からあなたたちの行き先を教えていただきましょうと言い聞かせる。
この二つを二十一日間、続けてください、あなた自身が産土神と直接にま向かって、問題解決を図ってみなさい。
このように申し上げて、自己解決の道を取っていただきました。
3,自己解決こそ最上の道
この相談者は、早速、一念発起して、産土神社の参拝を始めました。
産土神社は、山の手深く、何段もの階段の奥に鎮まっておられるとか。
その人は自分の子供たちと共に、またさ迷える子供たちの霊魂と共に、産土参拝を続けました。
果たして、産土参拝二十一日を終えたところ、子供たちの霊魂はすっかり消え去って、その後も現われる気配が無いという結果となりました。
こういう問題が起こると、大体に、誰か力のある人、祈祷師さんや陰陽師にお願いして、お祓いしてもらおうとするものですが、ちょっと待ってください。
あなた自身で解決できるのではありませんか。
産土の神様は、その土地に住む人々の真心に応えて、さまざまな力を及ぼしてくださいます。
真心一つで産土さまに体当たりするつもりで、自己解決の道を歩みなさるのが、最上の道ですね。
この相談者は、子供さんともども、祈祷師さんや陰陽師にお祓いしてもらうよりも、ずっと素晴らしい経験をなさったと思います。
4.産土神のご神徳 – 人間死後の行く先を示す
小さな祠(ほこら)に過ぎないと思えるような産土神社であっても、その背後には広大なる産土神界が厳然と存在し、その産土神界は天地創造神界と直結しているのであります。
また、広大なる産土神のご神徳の一つとして、人間死後の行く先を示してくださるということも、日本人の常識としたいものです。
産土の産土たるを知るときは人の人たる道に違(たが)はじ
(本田親徳「産土百首」より)
【参考】 【7】産土神の霊験記(2)(害意ある霊群鎮定の実話)