産土と人間力(1) 人間力とは大地(産土)の力

日本人の人間力が衰退している


 今からおよそ10年ばかり前のこと、「人間力」という言葉がマスコミをにぎわしたことがありました。日本人の、とりわけ若者の、人間力衰退が随分と議論されました。

 当時、若者の人間力衰退を象徴するような事件が起こりました。
 23才の青年が小学生の女の子を誘拐して、女の子の家へ脅迫の電話をかけようとしました。そこで女の子に電話番号を聞き出そうとしましたが、女の子に断られたのです。

 これでボクちゃんの大計画は頓挫してしまい、このボクちゃんは女の子を車においたままゲームセンターで遊んでいるところを逮捕されました。オイ、オイ!

 別に誘拐脅迫をしっかりやり遂げろというつもりはありませんが、若者の人間力衰退が議論されていた当時の事件として注目を引いたのです。

 この青年は、自分の頭の中で「大計画」を作り上げ、レンタカーを借りたり、誘拐の下調べをしたり、自分一人の世界でできることは、それなりにやり遂げました。

 しかし、その「大計画」に他人が関わって来ると、もう計画をコントロールできなくなり、あっさりと投げ出してしまうのです。営利誘拐を企てるにしては、この余りにもおそまつな根性!

 つまり、若者の「人間関係力」が極端に低下しているのです。「人間関係力」は、人間力の重要な要素の一つでしょう。

 さらに、若者は体力も衰退しています。これには食事も関係していると思われます。
 また、知力も衰退しています。昔は、日本のトップクラスの大学を卒業していれば、それなりの知的レベルを備えていました。

最近はそれら有名大学の卒業生であっても、推薦入学等で入試の競争を経験せずに入学し、そのまま卒業する若者は、昔のような知的レベルの持ち主であることを望めないのです。これには、学生を雇用する企業の担当者も頭を抱えています。

 やれやれ・・・と落胆しそうになりますが、何とか踏ん張ってがんばりましょう、皆さん!
 何か、人間力衰退に歯止めを掛ける方法はないものでしょうか。


産土欠落の人間力報告書


 若者の人間力衰退という現実を受けて、平成14年(2002年)11月、内閣府に「人間力戦略研究会」が設けられ、各界の叡智を集めて議論を重ねた結果、平成15年(2003年)4月10日、「人間力戦略研究会報告書」(pdf)が発表されました。

 その報告書において、人間力とは、「社会を構成し運営するとともに、自立した一人の人間として力強く生きていくための総合的な力」と定義され、人間力を発揮する側面として次の三つが挙げられています。

 ・第一は、「職業生活」という側面である。何らかの仕事をもちそれを遂行することは個人が生きる糧となると同時に、経済・社会の維持・発展を基礎から支えるものとなっている。

 ・第二は、「市民生活」という側面である。すなわち、民主主義社会の一員として、社会的問題に関心をもち、直接・間接に政治に関わったり、地域活動や市民活動に参加したりするということである。

 ・第三は、「文化生活」という側面である。学校時代に留まることなく、自らの教養・知識・技能を向上させ、文化的活動に関わる意欲と能力をもっていることである。

 「報告書」では、上記の三側面について人間力向上のための対策が色々と提案されています。

 よくまとめられた報告書ではありますが、私の立場から申し上げるならば、この「報告書」には大事な一点が欠落しています。
 「人間力とは大地の力である」という一点の認識が欠落しているのです。

 人間力を根底で支えているのは大地の力です、産土の力です。

 私に言わせれば、これを認識しない限り、人間力向上は望めません。産土の神の力が、人間力の根底にあるのです。(「報告書」にこれが欠落しているのは、まあ、当然といえば当然かも知れませんね。あはは。)

父と母と産土の力を戴いてこそ、人間力が発揮できる


 私が親子で学ぶ神道読本(一)父と母と産土の神』を著したのは、日本の若者の、というよりも、40代50代の熟年世代も含めて、日本人全体の人間力が衰退しつつあるのを何とか盛り返したいと考えてのことであります。

 一個の人間がこの世に生まれる為には、父と母と産土の神の産霊(むすび)の力が必要です。
 生まれた人間がこの世で生きていく為に人間力を発揮するのも、父と母と産土の力を根底に受けてのことなのです。

 子供に父親の力、母親の力が、十分に及んでいるとはいえない家庭が、どれほど多くあることか。
 ましてや、産土の神との関係が甚だ希薄になってしまった現代において、産土の力のバックアップが甚だ薄い人間がいかに多いことか。

 上記拙著において、人間が力を発揮するためには、

 ・父の背後の父なる神の力を戴き、
 ・母の背後の母なる神の力を戴き、
 ・産土の神の力をいただくことが、

人生の基本姿勢として第一に必要であると述べました。

 父と母と産土の神を礼拝申し上げるということは、人生第一の基本姿勢であるのです。
 詳しくは、拙著をお読みいただくとして、本稿では「産土と人間力」と題して数回に分けて拙著の補足をしたいと存じます。
 「人間力は大地の力」、これを納得していただけるようにやさしく解説を綴ることにいたしましょう。
 
【参考】神道の基本の基本、始めの第一歩はこの書から
親子で学ぶ神道読本(一)父と母と産土の神

神道は、日本人の大らかな心の道です。神道を学んでみたいとお考えになりましたなら、下記の書物をお読み下さい。神道を学ぶ初めの第一歩は、「父と母と産土の神」です。 これをすっ飛ばして神道を追い求めても、実りは得られません。
日本神道の初めの一歩は父と母と産土神
親子で学ぶ神道読本(一)父と母と産土の神
(小学生でも読めるようにルビを振り、やさしく解説。)

日本神道と太陽の新時代(神道・日本語・日本文化)

日本語の精髄アップダウン構造


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