ふんどし(褌)を愛する乙女

友の会メンバーに「ゆきちゃん」という二十代前半の若い女性がいて、毎月一度「ゆきちゃん通信」を送ってくれる。最近の「ゆきちゃん通信」で、このゆきちゃん、褌(ふんどし)をしめて寝ているとあった。ほおー、なかなかに勇気のある女性だ。
 ふんどしで眠ると、寝覚めがさわやかだというのだ。
ふんどし(褌)を愛する乙女

 「ふんどし(褌)」を辞書で調べて見ると、次ように説明してある。

 ふんどし【褌】男子の下着の一つ。腰をおおう帯状の布片。股間から腰部に、巻き付けたりひもで留めたりして着装する。白木綿のほか色物の布も使用される。下帯。六尺。下ばかま。(用例)(ふんどしを)しめ直す。
(講談社、日本語大辞典)

 やはり、一般的には、ふんどしは男性の下着と考えられている。

 ところが、少し調べて見ると、ふんどしを愛好する女性たちが結構いるようだ。
 何と、楽天市場やアマゾンに、女性用ふんどしと銘打って、いくつものふんどし商品が出ているではないか。
 これは、私が迂闊であった。

 大体、和服には、今のパンティのように股間を締め付けるものはない。着物には、腰巻きを巻くのみであって、今の下着のようなものは着けない。
 これは日本に限らず、例えばスコットランドの伝統衣装であるキルトなども、パンティなどは着用せずに腰の周りに布を巻き付けるだけである。
 それが体には、良いのだと思う。締め付けるのは、よろしくない。

 最近の●●矯正ブラなどは、無茶をしますね。
 背中の肉を無理やりにぎゅーっと前に寄せて、バストの形を整えるというのだから、これが女性の体によい影響を与えるわけがない。
 締め付けてよいのは、腰の帯と鉢巻きと襷(たすき)ぐらいだろうね。あとは、体を不必要に締め付けてはダメでしょう。

 婦人病が増える傾向にあるというのは、現代の生活様式に問題があるのではなかろうか。
 ぴったりと腰部を締め付けるパンティを着けて細い細いジーパンでさらに窮屈に締め付ける。それがカッコいいのかも知れませんが、体に負担がかかるのは否めない。
 ゆきちゃんのように、せめて眠る時ぐらいは、ふんどしをつけて体をゆるやかに解放してやってはどうか。
 彼女の経験談によれば、ふんどしで眠ると、腰のまわりの血の巡りがよくなり、ほんわかと暖まるののだとか。そりゃそうだ、締め付けて血の巡りがよくなるわけはない。

 ふんどし愛好する女性がうんと増えることが、日本女性の健康増進に繋がるはずだと、私は本気で考えている。
 女性以上に、その何倍も増して、股間を締め付けてはいけないのが、男性である。

 オトコはブリーフなど着けるものではない、オトコは猿股(さるまた)に限る、と私、個人的にはそう思う。
 さるまた以上に、ふんどしはなおさらよい。
 昔、出羽三山の体験修行で戴いたふんどしをひさしぶりに締めてみるか。

 ゆきこさん、ふんどしを愛するお友だちを、うーんと増やしてくださいね。