火継ぎ(ほつぎ)祭り(2)
山田家に子供が花子さんしかいないとする。
そこで海原太郎君を婿養子に取るとする。
婿に入った太郎君は山田太郎と名乗る。
しかし、太郎君の肉体に重なって存在する精は依然として海原家の精であって、山田家の精ではない。
そこで太郎君に真実、山田の精を戴くという祭りが必要となる。
それが火継ぎ(ほつぎ)祭りである。
火継ぎ祭によって、太郎君に山田の精が重なる。
子供ができると、父親太郎君が火継ぎで承けた山田の精がその子に伝わる。
この火継ぎ祭りをしないとどうなるか。
太郎君と花子さんの間に男の子が生まれる。
やれ跡継ぎが生まれたといって喜ぶ。
確かにその子の体(たい)は母親花子さんからもらったものである。
しかし、その子の精(せい)は父親太郎君の精、つまり海原の精のままである。
即ち、精の流れ(姓の流れ)が途絶える。
これを血筋の乱れという。
血筋が乱れると、精の流れ(姓の流れ)を守護するという氏神の恵みが途絶えることになる。
だから、養子を入れたら火継ぎ祭りをするという伝えがあるのだ。
その伝えが単なる形式に過ぎないと誤解され無視されることが甚だ多い。
養子縁組で血筋を保ってきた旧家に、代々養子が続くというのは、この火継ぎが正しく行われていないからである。
【参考記事】
【参考記事】
* 婿養子には火継ぎ祭りが必要(血筋の乱れを防ぐ)
* 火継ぎ(ほつぎ)祭り(1)
* 火継ぎ(ほつぎ)祭り(3)
* 人間誕生の秘儀(父母産土)