合掌の中に虚空界が現れる

神祭りや鎮魂の際に、両膝に手を置くことがあると述べた。
両膝が、霊座(ヒザ)の働きをするのである。
⇒ 膝は霊座(ヒザ)

では、合掌する場合には、その両手はどういう働きをするのだろうか。

神前に端座して合掌する。
左右の掌の指紋は左右の大脳の響きと通じている。両手の指紋を合わせて、左脳と右脳を統一する。

親指の下にこんもりと丘(きゅう)があり、母指丘(ぼしきゅう)と云われる。
小指の下にもこんもりと丘(きゅう)があり、小指丘(しょうしきゅう)と云われる。

親指丘と小指丘の間にくぼみがある。合掌すると、左右のくぼみが合わさって、空洞ができる。
その空洞が虚空界になる。

これから祝詞を奏上するという際に、己を虚空界に戻さねばならない。
合掌して、虚空神をお呼び申し上げ、掌の中に虚空界を生んでいただく。
その虚空界に己を入れる。

掌の中に虚空界のその下、親指丘と小指丘の間に隙間がある。
その隙間から己と一体となった虚空の柱がズズーンと大地の奥底まで通っていく。

さらに指先から己と一体となった虚空の柱が天上へそそり立つ。
底つ磐根に虚空の宮柱太敷きたて、高天原に千木高しりて・・・という状態になる。

そうしておいて、三礼四拍手一拝、祝詞奏上となる。
これが合掌の秘儀である。
人間の肉体は、神宝以外の何物でもない。