大音は希声なり(無声の祝詞)
大音は希声なり (老子道徳経・第41章)
真実の大音は、かえって耳には聞こえないほどの微(かす)かな音(希声)である、と老子は云う。
未明に神前に端座して、音吐朗々と祝詞を奏上する。
その時に、無声の祝詞を奏上することがある。
例えば、アエイオウの母音を発する。
アーーーーと伸びやかに奏上すると、アの言霊の世界が現れる。
エーーーーと伸びやかに奏上すると、エの言霊の世界が現れる。
その世界が音に乗って広がってゆく。
その時に、アエイオウを無声で唱えると、アエイオウの一音一音の世界が限りなく広がる感じがする。耳で聞こえる音の広がり以上に、宇宙の果てまで届くかと思えるほどに、無音(希声)の響きが広がってゆく。
まさに、大音は希声なり。