日本酒「くどき上手」とは一見、艶っぽい名乗りだが
日本酒は日本文化の華:「くどき上手」の蔵元・産地
酒銘: くどき上手
蔵元: 亀の井酒造
土地: 山形県鶴岡市羽黒町戸野字福ノ内)
創業: 明治8年(1875年)
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山形県の日本酒「くどき上手」の酒銘を楽しむ
「くどき上手」とは、一見、艶っぽい名乗りである。(ラベルもまことに艶っぽい。)
「口説く」と書くと「口で説く」と思われ勝ちであり、主として男が女に求愛することと受け止められているが、この言葉は実は、くどくどと同じことを繰り返し述べるというのが原義らしい。
源平盛衰記には、「泣きくどき、物語し給ひけるが」の用例がある。
「くどく」のもう一つの原義は、神仏に祈願すること。
繰り返し述べることと、神仏に祈願することを併せて、女性を口説くという今日の意味になったのであろう。
したがって、異性に対する求愛のみならず、同性が同性を口説いても、何ら差し支えない。
日本酒「くどき上手」で相手を口説く
ある仕事を成功させるのにある人物の協力がどうしても必要である。ところが、その人物は、重い腰を上げない。そこで、あらゆる手を尽くして、その人物を口説き落とすことになる。
そういう時に、この日本酒「くどき上手」を使うと良い。
〇 それは、この間も言ったとおり・・・。
● まあまあ、まずは一杯。
〇 おー、いい酒ですね、
● これは。いいーでしょう。「くどき上手」というんです、この酒。
〇 いやーまいったなあ。
まるで落語ですね。
このようなやりとりは、日本酒だからこそできること。
仮に小麦で作ったウイスキーに、無理矢理「くどき上手」と名付けて、「くどき上手」ウイスキーのやりとりで、こんな会話ができるであろうか。まるで雰囲気が出ない。
差しつ差されつ、という絶妙の間合いを取りもってくれるのは、なんと言っても日本酒である。
日本酒というのは、日本人の心を背負っている。
米と酒というのは、日本文化の精髄なのである。
ほどよく酒が回ると、張り詰めた心がゆるやかにほどけて、くどき、くどかれやすくなる。結構ではないか。
酒というものが、人間社会の潤滑油として、どれほどの働きをしてきたことか計り知れない。
日本酒の酒銘として「くどき上手」があることに、日本酒の口説く・・・じゃなかった、功徳(くどく)を深く思うのである。
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