朝ドラ/あさが来た/ 京都の女大関あさが炭鉱夫と相撲をとる(大関が最上位)
NHK朝ドラ「あさが来た」がなかなかおもしろい。
日本最初の女子大学「日本女子大学」を創設した女傑・広岡浅子をモデルにしたドラマだが、主演の「あさ」を演じる波瑠が、炭鉱夫を相手に相撲を取ることになった。
あさ(波瑠)の嫁ぎ先である大阪の両替商「加野家」は、幕末明治の社会変動を乗り切るために、石炭の山を買って起死回生をはかる。九州筑前の炭鉱に出掛けたあさに炭鉱夫たちは従おうとはしない。
そこで、あさは鉱夫たちに勝負をいどみ、私が勝ったら言うことを聞いてしっかり石炭を掘ってもらうと言う。
鉱夫たちは、何の勝負だ、おはじきでもやるのか、と揶揄するが、あさが相撲で勝負すると言うと、鉱夫達が色めき立った。
あさは、きっぱりと言う。
私はこう見えても、京都の女大関といわれたんどす。
さあ、この勝負、どうなるか、明日が楽しみだ。
大関は最上位、横綱は格別
ところで、「京都の女大関」だが、あさ(波瑠)ちゃんは、横綱についで2番目に強かったのかというと、さにあらず。
大関が一番である。
英語に訳すと、大関が champion (チャンピオン)で第1位の格である。
その大関のなかで、特別の別格が横綱であり、横綱を英語に訳すと、grand champion (グランド・チャンピオン)となる。
であるが故に、江戸期の各種番付表を見ると、最上位は大関であって、横綱は表示されていない。
つまり、あさ(波瑠)ちゃんが言う「京都の女大関」とは、京都の女たちの中で一番強いのは私だというわけ。あの勝ち気の強いあさ(波瑠)ちゃんが、自分は2番目だというわけありませんね。
あさ(波瑠)のモデルとなった広岡浅子女史は、一代の女傑と言われたお人。荒くれ男たちをどうてなづけていくか、楽しみに拝見させていただこう。
それにしても、あさ(波瑠)ちゃんに「私は京都の女横綱よ」ではなく「女大関よ」と言わせた脚本家に敬意を表したい
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