はじめに(序文)(父と母と産土の神)
『父と母と産土の神』の序文の一部をここに掲載します。神道初めの第一歩が「父と母と産土の神」です。
『父と母と産土の神』は、「親子で学ぶ神道読本シリーズ」の第一巻として発行したものです。ルビ(振り仮名)を多用して、小学高学年から読めるようにと配慮しました。ネット上の掲載文{下記)には、ルビを省いていますが、紙書籍・電子書籍ともに、しっかりとルビを振ってあります。
「親子で学ぶ」というタイトルをつけていますが。内容は大人の親御さんにも学んで戴きたいものです。
「父と母と産土の神」は人間の生き方の基本の基本です。そこをしっかりと踏まえた上で、スピリチュアルな学び事をなさると、豊かな実りがえられることでしょう。この書は、親子でお読みいただけたら幸いです。
序文(はじめに)(父と母と産土の神)
はじめに
日本の国にはどこへ行っても、神社がありお寺があります。日本には昔から神道と仏教が伝えられてきました。あなたのお家にも神棚、あるいは仏壇、ひょっとすると両方があることでしょう。
仏教には沢山のお経があります。お経を経典とも言います。経典の数は、あまりに多すぎて、はっきりと定めがたいほど多いのです。
ところが神道には、経典に当たる書物がないと言われてきました。(中略)
宗教の三大要素とは、教祖と経典と戒律です。
(中略)
このように、神道には、教祖もなく経典も見当たらず戒律もないのですから、西洋の学者が、神道を低次元の土俗信仰と観たのは無理もありません。
神道は、日本人の心の中に生きています。日本人の心は、世界に誇れる素晴らしさを備そなえています。神道もまた、篤く礼拝申し上げて尊ぶべき道です。
その神道を、これから親子ともども学ぶことにいたしましょう。
では、どこから手を付けて、どのように学べば良いでしょうか。神道を学びたいと思う人は多いのですが、何しろ教祖も経典も戒律もない神道ですので、どこからどのようにして神道を学び始めればよいのか、皆目見当が付かないかも知れません。
ところが、実は、神道を学び始める切っ掛けは、とても簡単な処にあるのです。(中略)
そこで、あなた自身と、お父さん、お母さんのことから学び始めるのが、一番確かに神道を学ぶことになります。
逆に、ここを抜かしてしまうと、その学びが豊かな実を結ぶことはあり得ないと言えるでしょう。ここで、質問です。
あなたはお母さんが大好きですね。
では、なぜお母さんが大好きなのですか?あなたはお父さんも大好きですね。
では、なぜお父さんが大好きなのですか?好きだから好き、として考えたこともないことでしょう。
しかし、この質問に答えが見つかると、神さまのことがわかり始めるのです。
そして、産土の神さまに心が向いていきます。
「父と母と産土の神」は、あなたの人生を開く鍵です。「父と母と産土の神」をおろそかにして、どれほど素晴らしい神さまを拝んだところで、どれほど素晴らしい宗教を信仰したところで、それは砂上の楼閣とならざるを得ません。風が吹いたら、いっぺんに崩れてしまいます。
ではこれから、「父と母と産土の神」と「あなた」の物語を、始めることにいたしましょう。手始めに、あなたがどうしてお母さんが大好きなのか、考えて見ることにいたしましょう。
昌原 容成
「父と母と産土の神」が人生の基本の基本であること、腹の底までたたき込んでいただきたいものです。そして、両親への親孝行が、実は神道初めの一歩であることを知っていただきたいものです。
それを親子で確認したいただきたいと願っております。