ピカソの本名は、寿限無ジュゲム・・ほど長い
抽象画の天才・ピカソの本名は、驚くほど長いということご存知ですか?
落語に出てくる「寿限無寿限無・・・」ほど長い・・・いや、それほどではないのですが、ともかく長い。
ピカソ自信が、自分の本名を覚えていなかったといわれています。
「寿限無ジュゲム・・」は日本一長い名前
「寿限無ジュゲム・・」は落語に出てくる子供の名前で、日本一長いことは間違いない。
生まれた子供が元気で長生きできるようにと考えた父親が、お寺の和尚さんから教えられた縁起のいい言葉をすべて並べて長い名前となったのです。
落語家が入門して最初に訓練として教えられるのが、この噺と言われます。
ずらずらと書き綴ると、余計に訳が分からないので、少しずつ区切って「寿限無・・」を書き記すと次のようになります。
寿限無寿限無(じゅげむ、じゅげむ)、
五劫(ごこう)の擦(す)り切れ、
海砂利(かいじゃり)水魚(すいぎょ)の、
水行末(すいぎょうまつ)。
雲来末(うんらいまつ)、
風来末(ふうらいまつ)、
喰う寝る処(ところ)に住む処(ところ)、
藪(やぶ)ら柑子(こうじ)の藪柑子(ぶらこうじ)、
パイポ・パイポ・パイポのシューリンガン、
シューリンガンのグーリンダイ、
グーリンダイのポンポコピーのポンポコナの、
長久命(ちょうきゅうめい)の、
長介(ちょうすけ)。
長い!
ボケ防止に記憶に挑戦なさったらいかがでしょうか。
パブロ・ピカソの本名も長い
「寿限無・・の長介」の父親は、欲張って縁起の良い言葉ずらりと並べて子供の名前としました。
これは落語の世界の話かとおもいきや、いやいや、ピカソの父親も、現実に同じことをやりました。
彼は、親戚縁者の名前だけでは飽き足らず、聖人たちの名前も並べて子供の名前として出生届をだしたのです。
さて、ピカソの本名は、出生証明書によると、次のようになっています。
Pablo Diego José Francisco de Paula Juan Nepomuceno Cipriano de la Santísima Trinidad Ruiz Picasso
カタカナで記すと、
「パブロ・ディエゴ・ホセ・フランシスコ・デ・パウラ・ホアン・ネポムセーノ・チプリアーノ・デ・ラ・サンティシマ・トリニダード・ルイス・ピカソ」
となります。
こんなに長い赤ちゃんに洗礼を施して洗礼名をつけたのですが、これも当然、長い。洗礼名は次の通り。
Pablo Diego Jose Francisco de Paula Juan Nepomuceno Maria de los Remedios Crispin Cripriano de la Santisima Trinidad Ruiz y Picasso
洗礼名をカタカナで記すと、
「パブロ・ディエゴ・ホセ・フランシスコ・デ・パウラ・ホアン・ネポムセーノ・マリア・デ・ロス・レメディオス・クリスピーン・クリスピアーノ・デ・ラ・サンティシマ・トリニダード・ルイス・イ・ピカソ」
となります。
名前には親の祈りが込められる
この長い名前を見て、つくづく思うのは、親というのは子供の幸せのためには、どんなアホなこと(失礼!)でもやるのだなあということです。
子供の幸せを願ってのことなんです。
子供の名前には、親の祈りが込められているのです。
ちなみに、明治の頃までは、女性の名前に、トラやクマというのがありました。落語でも、おトラおばさんや、オクマおばさんが登場します。
今の世の中で、女の子の名前に、トラやクマを付ける親はなかろうと思います。しかし、昔は、トラやクマが、花子、よし子ほど多かった。
これは、昔は生まれて間もなく死んでしまう子供が多かったので、親としては何とかこの子に元気で生き延びて欲しいと願い、動物の中でもとりわけ強い虎や熊の力をこの子に、という願いを込めて、おトラ、おクマとなったのです。
おトラさん、おクマさんには、元気で強く生きて欲しいという親の願いが込められているのです。
親の祈りが通じたのか、ピカソは芸術家として成功し、スペインに城のような邸宅を建てました。
「寿限無・・長介」も、現実の名前として届けたならば、本当に縁起の良いおめでたいことが続くかもしれませんね。
ただ、出生届が受理されるかどうか、甚だ疑わしいですが。(笑い)
▼筆者の名前に関する記事3題
⇒ 名説・大中洋道大人(日本神道は宇宙神道)
⇒ 石を抱いて実腹せよ(抱石大人名説)
⇒ 疫病退散のオオタタネコとカメハメハ大王