ヨットで非行が治まる、ウソみたいな真実:脳幹トレーニング

脳幹トレーニングの一つの方法として、ヨットやサーフィンでバランスをとる方法が、よく知られています。
悪名高い「戸塚ヨットスクール」は、一時期マスコミに散々叩かれました。校長とコーチ数名が傷害致死その他の罪状で起訴され、19年の長期裁判を経て有罪が確定しました。体罰について議論する際に、よく引き合いに出される事件です。

この記事では、その裁判とは別の観点から、ヨットスクールと非行について考えてみたいと思います。

訓練生たち数百名が非行から立ち直ったという事実

体罰・暴力を容認するつもりは決してありませんが、戸塚ヨットスクールの訓練生たち数百名が非行から立ち直ったという事実は、厳然として存在します。ヨットの訓練で非行が治まるのです。

そのことを、石原慎太郎氏は『老いてこそ人生』という著書において、次のように述べています。

戸塚ヨットスクールの教育原理はまさしく脳幹トレーニングでした。
(中略)
その結果わずか二、三ヶ月の間に子どもたちのゆがんでいた性格が驚くほど顕著に変わって行きました。
例えば手の付けられぬ突っ張りの不良で、家に火をつけたりしても平気でいた女の子が、男の子のような顔つきだったのがわずかの間に普通の可愛らしい女の子の顔に変わり、胸も年齢なりにふくらんできてそれまでなかった生理もあるようになった。

それだけではなしに、脳幹の醸し出す喜怒哀楽の情操の発露がみられるようになり、無表情だったのが折々の表情がはっきりしてきました。
そんな事例は枚挙に暇(いとま)がなかったのですが。

(◆石原慎太郎著『老いてこそ人生』幻冬舎、第7章 脳幹の大きな意味)

男の子のような顔つきだった女の子が、可愛らしい顔つきになり、胸もふくらんで生理もあるようになった。
つまりそれ以前のこの女の子は、内分泌(ホルモン)が乱れに乱れ、自律神経系も暴走していたのでありましょう。

脳幹は生命維持の4大機能の根本中枢です。
脳幹の生命維持4大機能
1.自律神経系
2.免疫系
3.内分泌系(ホルモン)
4.脊髄・筋肉系(姿勢維持・条件反射)

1の自律神経系や3の内分泌系(ホルモン)の乱れが、非行少年少女たちの性格をゆがめ、人間らしさを失わせることになるのです。

4大機能の「4.脊髄・筋肉系(姿勢維持・条件反射)」に注目してください。ヨットで「姿勢維持、条件反射」の訓練をすることにより、脳幹が刺激され、自律神経系や内分泌系(ホルモン)も整ってくるので、非行が治まるのです。脳幹トレーニングで、人間らしい情緒をも取り戻してくるのです。

脳幹トレーニングと自尊心

非行に走る少年少女たちは、情緒不安定で、生理的にも不安定な状態に置かれています。
彼らは本当の意味で自尊心を持ちえない、あるいは自尊心を傷つけられてのでしょう。

永田勝太郎氏の著書『脳の革命』(祥伝社)は、脳幹について学ぶ際の基本図書の一つです。そこに、脳幹と自尊心についての面白いエピソードがつづられています。
大英帝国の宰相として大英帝国の繁栄を担ったチャールズ・ディズレーリの幼少の頃のエピソードです。

幼い頃のディズレーリは、ユダヤ系ということで近所の悪童たちからいじめ続けられました。そこで彼はボクシングを習う決心をしたのです。

数か月のボクシング修行の後、それを知らぬ悪童たちが彼をいじめにかかり、ことごとく彼にノックアウトされました。

そして、ディズレーリの伝記作家は、この出来事が、後に彼が大英帝国の屋台骨を支える大政治家となる方向を決定づけた、と断言しています。つまり、理由なくいじめられ続けた屈辱を、自らの力で克服したことの自信、ぎりぎりのところで立ち止まり、悪童たちの暴力に隷属する卑屈さに身を任さなかったことへの誇りーーーこれらが、ディズレーリの”男らしさ”の原点を形成し、以来、どんな困難に対しても雄々しくチャレンジする気概を支え続けたというのです。
(永田勝太郎『脳の革命』祥伝社、P.22~23)

自尊心と脳幹

自尊心は、人間存在の根本にかかわる心です。
それもまた脳幹に深く関わります。

幼い子供は8秒間、ぎゅーっと抱きしめてあげなさい、とよく言われます。
ぎゅーと抱きしめると、脳幹に愛情がたっぷりと注ぎ込まれます。
その子は、自分は愛されているのだ、この世で生きていてよい存在なんだと、根本から自覚して自尊心を深めていくのです。

姿勢制御の訓練も脳幹を刺激しますが、愛情をたっぷり注ぎ込むということも、脳幹を刺激するようですね。

そして時には、ディズレーリのエピソードのように、自らの力で人間存在の根本である自尊心を取り戻し深めていくという努力も必要でしょう。

あなたも脳幹トレーニングをなさってみませんか?
↓  ↓  ↓  ↓  ↓

⇒ 脳幹トレーニングバランサー(一日5分乗るだけ)

【トランスペースの本(神・電子)】
「アップダウン構造」というキーワードを知れば、眼からウロコがぼろぼろ落ちて、あなたの中で言霊の力が爆発するでしょう。
『日本語は神である』 (アップダウン構造により日本語・日本文化を解明する書)