産土と人間力(2) 人間力の要素(体力、知力、人間関係力)

 「人間力とは大地の力である」 それが子供にも分かるように話を進めたいと思います。
 そこで、3人の登場人物に、「産土と人間力」について語ってもらいましょう。

 ヤマト君(小学4年男子)
 体力に自信あり。ユーモアも。
 ココロちゃん(小学3年女子)
 知性派、芸術的センスあり。
 ハヤテおじさん(もの知り博士)
 産土と人間力を解説してくれます。

人間力の要素(1) (体力、知力、人間関係力)

 人間力って大事だよね。ボクは毎日、腕立て伏せして、人間力を高めているんだ。
 きっとココロちゃんより、人間力が強いと思う。

 えーっ、人間力って、筋肉の力で決まるの? それはないでしょ。
 ハヤテおじさん、これってホント?

 人間力とは、この世で人間として生きていくための力だから、筋肉の力も必要だと思う。でも、筋肉の力だけでは生きていけないね。何が必要かな?

 分かった。字が読めないと不便だよね。ハリポも読めないし。それに、計算ができないと、お買い物のおつりも確かめられないんじゃない。
 昨日の計算テストで私は100点。漢字テストは98点。きっと私の方がヤマト君よりも人間力が強いと思う。

 うーん、そうするとアタマがよくって筋肉モリモリの人が、一番人間力が豊かであると言えるのかな?ちょっと違うんじゃない?
 人間は一人では生きていけないでしょ。沢山の人と一緒に生きていくためには、何が必要かな?

 わかった。あそこのお兄ちゃん、ろくに挨拶もしないって言われてたよ。あいさつすることって、大事じゃないかな?

 その通り!
 もしも、とびっきりアタマがよくって筋肉モリモリだけど、自分のことしか考えない人たちばっかりの町があったら、そこで住みたいと思うかな?

 (声をそろえて) おもわなーい!

 そうでしょう。自分のことしか考えない人たちばかりの町で、住みたくはないよね。人間は社会的な生き物だから、社会的な力も必要だね。

 シャカイテキって、何ですか?

 「世界」は、何となくわかるでしょ。
 人間の世界があり、おサルさんの世界もある。
 そして、人間はつながりを持って生きている。

 人間はつながっているという事を頭にいれて人間世界を見た時に、人間社会というんです。おサルさんだって、ボスがいるし、ナンバー2やナンバー3がいて、つながりをもっている。
 そのつながりを頭に入れてサルの世界を見たときに、サル社会というんです。

 あ、分かった!社会科って、人間のつながりを勉強する科目だったのか。

 だったら、私たちって、子ども社会で生きてるのね。
 インターネット社会も、あるだろうし。

 そう。そして、社会的な力とは、つながりを上手く保ちながら生きていく力だね。
 これも大事な人間力の要素だよ。
 つながりを上手く保つためには、あいさつも必要だし、「ありがとう」といえることも必要だね。

 失敗したら「すみません」「ごめんなさい」と謝りなさいと、いつもお父さんに言われるのは、社会的な力を身につけるためだったのか。

 そうだよ、それも重要な人間力の一部だよ。
 人間同士のつながりをうまく保つ力を、「人間関係力」と呼ぶことにしよう。
 最近の若者たちは、この「「人間関係力」が衰えているように思う。

人と直接話すのが嫌だからと、メールに頼りすぎたり、人と遊ぶのは面倒だからとスマホのゲームに熱中したり、ともかく人と人のつながりが希薄になりがちな今の時代だから、よけいにこの「人間関係力」が重要視されるわけだ。
 まあ、そういうことも含めて、「人間力」について学んで行くことにしよう。

 ところでココロちゃん、漢字テストのマイナス2点は何を間違ったの?

 「ヤマトの国」を 「山戸の国」と書いて間違っちゃった。正しくは「大和の国」だよね。
 ごめんなさいね、ヤマト君。オホホ。

【まとめ】
人間力の要素=体力、知力、人間関係力
(次回は、人間力の要素としての「感性」について述べます。)
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