剣と祓えと産霊(ムスビ)

あるトランスペース友の会の会員から質問を戴いた。
「あなたは剣の祓いもなされるのでしょうか」と。

祓えは、風の力で成就します。
神社などで神主が、こんもりと紙垂(しで)を取り付けた祓えのヌサを振って、祓えを行います。
あれは紙垂(シデ)で風を起こし、その風で祓っているのです。

ヌサのない時に、息吹の祓えを行う時があります。
息吹という風で祓うのです。

剣は本来、産霊(ムスビ)に用います。
格別の場合に、剣をヌサの代わりに用いることも可能です。
柏手(かしわで)を打ち鳴らしてヌサに変えることもあります。
また、祓えとは別に、剣によって憑依霊を切り裂くという神法もあります。

ただ、剣は本来、産霊(ムスビ)のハタラキをするということを忘れてはなりません。
サムライたちが剣を振るってイクサするということから想像して、剣のハタラキを限定してはなりません。
それでは、三種の神器に「草薙剣(くさなぎのつるぎ)」が含まれていることの有り難さが消し飛んでしまいます。
そのハタラキは、祓えどころのものではありません。

古事記に、イザナミの神がカグツチの神を生み死んでしまったことを嘆き、イザナギの神が十拳剣(トツカノツルギ)でカグツチの首を斬った、とあり
ますが、神様がご自分の御子神の首を切って殺しますか。
これは、十拳剣をカグツチの首に当てて産霊(ムスビ)をなさったのです。
切られた首から血が飛び散って新たな神が生まれたというのは、産霊の神業(かみわざ)の結果、神々が誕生なさったということです。

剣は産霊(ムスビ)のハタラキということ、ハラに収めて下さい。

【トランスペースの本(神・電子)】
「アップダウン構造」というキーワードを知れば、眼からウロコがぼろぼろ落ちて、あなたの中で言霊の力が爆発するでしょう。
『日本語は神である』 (アップダウン構造により日本語・日本文化を解明する書)