とんど焼きはゲートボール焼き

1月15日は小正月で「とんど焼き」。
各地の神社で、正月の注連飾りなどを持ち寄って焚き上げ、その火で餅を焼いて食することもあります。

本来、1月15日の小正月に「とんど焼き」を行っていたのですが、成人式がその前後の日曜日に変更されたこともあり、「とんど焼き」も日にちをずらして土日に行うことが多くなりました。
私の産土・竹渕神社でも、今年(2016年)は1月17日(日)に「とんど焼き」が行われます。

とんど焼きを左義長(さぎちょう)焼きとも言いますね。
今、お年寄りの間でゲートボールが盛んですが、昔似たような遊びがありました。
木槌(きづち)を長くしたような棒で木製の球を撞いて遊んだのです。その棒を毬杖(ぎっちょう)と呼んでいました。

1月15日小正月になると、毬杖(ぎっちょう)を三本組み合わせ、そこへ正月の飾り物などを載せて火で燃やしたことから、三毬杖(さんぎっちょう)焼きと言われ、左義長(さぎちょう)焼きに転化したとか。
「とんど焼き」とは、「ゲートボール焼き」であったのですね。

確かに小槌の形をした毬杖(ぎっちょう)でしたら、地面に立てて三本を組みやすいですね。

それにしても、ゲートボールが、古(いにしえ)の昔から、毬杖(ぎっちょう)遊びとして行われていたとは、これはなかなかにゆかしい遊びではありませんか。
ゲートボールをお年寄りの暇つぶしと馬鹿にしないで下さい。

ただ、毬杖にうつつを抜かす人を指して「毬杖冠者(ぎっちょうかじゃ)」と称したそうですので、相当入れ込む人は今も昔もいらっしゃったと見えます。よろしいじゃございませんか。

「とんど焼き」の語源ですが、「尊(とう)と焼き」から「とんど焼き」となったという説があり、「どんど焼き」とも言う。
私が小学生の頃、私の生地(大阪)では、小正月の「とんど焼き」のみならず、普段の日に通学路のあちこちで焚き火をしていましたが、それをも、「とんと焼き」〈濁らずトント焼き)と言っていました。

各地に於ける「とんど焼き」の名称を下記に記します。

「とんど焼き」各地の呼び方

・あわんとり(千葉県南部・茨城県南部)
・お焚き上げ(神社で行事としてする場合)
・おんべ焼き(単におんべとも)
・御柴灯(おさいとう)
・かあがり(長野県南佐久郡小海町、南佐久郡南相木村、北相木村)
・かんじょ(新潟県村上市岩船)
・さいと焼き(神奈川県横須賀市鴨居八幡)
・さぎっちょ(富山県、石川県、福井県、岐阜県、高知県、福岡県)
・しんめいさん(広島県東広島市安芸津町)
・道祖神祭り
・とうどうさん(愛媛県東予地方)
・とんど(奈良県、広島県、岡山県)
・とんど焼き(近畿とその周辺、東京都)
・とんど正月(兵庫県播磨地方)
・どんと
・どんどや(九州)
・どんど焼き(山梨県の一部地方)
・どんど焼き(群馬県、愛媛県南予地方)
・とんどさん(鳥取県)
・どんどん焼き(山梨県の一部地方)
・ほっけんぎょう(九州)
・やははいろ(東北)

九州の「ほっけんぎょう」、東北の「やははいろ」には驚きました。

【トランスペースの本(神・電子)】
「アップダウン構造」というキーワードを知れば、眼からウロコがぼろぼろ落ちて、あなたの中で言霊の力が爆発するでしょう。
『日本語は神である』 (アップダウン構造により日本語・日本文化を解明する書)