榊(さかき)はあの世の境(さかい)をつなぐ木

神道祭式では、榊に紙垂(しで)を付けて玉串を作り神前に捧げます。
玉串奉奠(ほうてん)と申します。
玉串奉奠の時、榊を通って祭事の神気がこちらに流れてくるのです。
まことにサカキとは境(サカ)をつなぐ木(キ)であります。
つまり、榊(サカキ)には、あの世とこの世をつなぐ力があるのです。
これを単なる形式と思っているととんでもないことになります。現実にサカキが働きます。
祭事の神気が流れてくるのであればよろしいのですが、下手をするとどういう世界のどういう物が流れて来るやらわかりません。
だから祭事にあたっては祓えが必要となります。

先年、老母の葬儀の際に火葬場へいって驚きました。
棺を炉の中に入れる前に、小さな祀りをするのですが、
私たちの隣では、神官が参列者に玉串奉奠をさせているではありませんか。
その中には子ども達も混じっていました。
火葬場には亡骸を食い物にする魑魅魍魎が雲集しています。
どれほど祓えを厳しくしたところで、そのような所でうかうかと玉串など捧げるものではありません。
まして頑是(がんぜ)無い子供に玉串奉奠をさせるのは危険極まりないことです。
神官のみまさんもしっかりしていただきたいものです。

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