一人(いちにん)一世界(鎮魂)
人はそれぞれ自分の世界を持っている。
たとえ夫婦といえども、夫には夫の世界があり、妻には妻の世界がある。
これは夫婦仲の善し悪しに関わりはない。
親しい友人がいて、彼とは楽しく世間話が出来る。
しかし、そこに奥さんが入るともう話にならない。
アイツは良いヤツだが、アイツの奥さんはどうも苦手で・・・ということになる。
逆に無愛想な旦那だが、奥方の柔らかさに引かれて人が集まるということもある。
これは皆、人それぞれが一つの世界を持っているという証(あかし)である。
人は、一人(いちにん)一世界の主宰者である.
人生とは己の世界を己で作り上げてゆくことにほかならない。
何事によらず、ものごとを作り上げるというのはご苦労なことであるが、その苦労が己の世界を作り上げる為のものであると知れば、苦労もまた楽しとなる。
例えば、結婚というような人生の一大事は、己の世界形成に計り知れない影響を与える。
したがって、必死になる。つまり、その人の魂の本質が吹き出してくる。同時に周りもいろいろと吹き出してくる。あの人はああせよと言い、この人はこうせよと言う。
それをうまく調整してゆくというのも己の世界を作り上げる楽しみと心得れば、なかなかに実のあるゲームが楽しめる。
一人(いちにん)一世界の主宰者たることを目指し、深める。
それが神道でいう鎮魂にほかならない。