商都大阪は、笑都大阪でもある所以

商都大阪ではビジネスにもお笑いが必要

長野で営業マンをしていた友人が、転勤して大阪へやってきた。
しばらくして彼は、ため息をつきながら、私にこうもらした。

「どうして大阪では、ビジネスの場にあんなにもお笑いを持ち出すのかどうにも理解に苦しむ」
彼にしてみれば、大阪の取引先がどこへいっても、面白いことをいって笑わないことにはビジネスの話がすすまないというのだ。それが彼には不思議でたまらないらしい。

なるほどねえ、他府県の人には、大阪人のお笑いのセンスが理解しがたいのかねえ。
しかし、大阪人の立場からいわせれば、面白いことの一つも言えずに営業マンなどやれないでしょう、となる。
お笑いがあってこそ、それが潤滑油となってビジネスが滑るように整っていくというものではないか。

大阪は商都といわれ、昔からビジネスで栄えてきた。
商都大阪は、笑都大阪でもある。
その所以の一旦を述べてみよう。

財宝祭に笑いを加える

神道神祭りの中に「財宝祭」がある。
毎月十三夜に、あるいは満月の夜に、財宝祭をお仕えしている。

財宝(金銭その他)には、その背後に財宝の素魂(すだま)が存在する。
財宝の素魂(すだま)たちは、本来は純粋透明のエネルギー帯であるが、財宝を扱う人間の意識が地獄じみてくると、その影響を受けて財宝の素魂が地獄じみてくる。これは人間の責任である。

そこで、財宝の素魂たちを神ながらの道に乗せるという点に、財宝祭の意義がある。ある意味でそれは、財宝の素魂たちを正道に戻して、神々の嘉(よみ)し給うような動きをとらせるための祭りである。

易に火雷噬嗑(からいぜいこう)という卦があり、日垣宮主師は、その解説として次の様に述べて折られる。

「私は神を祀る道の中で「財宝祭」をいたしますが、その要点は、地獄の鎮め祭祀です。火雷噬嗑(からいぜいこう)は、地獄に鳴る雷鳴と炎によって天下の財を集める意味があるのですが、その祭祀の作法の一つに、笑いがあるのです。」

つまり、笑都大阪の人々が、ビジネスの場においても笑いを大切にするのは、笑いによって、その「雷鳴と炎によって」、天下の財を集めて流通させている姿といえるのです。

「笑う門には福来たる」は、本当なんですね。

商都大阪は、まことに笑都大阪でありました。

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