産土と人間力(4) 人間は大地を食べて生きる

 「人間力とは大地の力である」 それが子供にも分かるように話を進めたいと思います。
 前回と同様に、3人の登場人物に「産土と人間力」について語ってもらいましょう。

 ヤマト君(小学4年男子)
 体力に自信あり。ユーモアも。

 ココロちゃん(小学3年女子)
 知性派、芸術的センスあり。

 ハヤテおじさん(もの知り博士)
 産土と人間力を解説してくれます。

人は大地を食べて生きる


 前号までのおさらいをすると、人間力の要素として、
 ・体力 (筋肉の力)、
 ・知力 (読み書き計算のアタマの力)、
 ・感性力(音楽芸術などの情緒)、
 ・人間関係力(他人とのつながりを保つ力)、
があった。これが、大地の力と関係するというのが、私の云いたいことなんだよ。

 大地の力がどうして人間に影響を及ぼすのか、ボクにはさっぱり分からないや。それって、ホントなの?

 植物だったら、確かに大地の力に影響されると思う。だって、植物は大地の中に根を張って、そこから栄養を吸収しているでしょ。
    
 エライ!その通りだ。よく肥えた土地に育つ植物は、栄養の吸収が良くって、いわば「植物力」が強いというのは認めるよね。

 それは認めます。でも、人間は動物でしょう。
 しかも大地の一点にじっとして大地のエネルギーを吸収しているわけではなく、いつも動き回っているでしょ。
 だから、人間という動物が大地の力を受けているということが、どうも分からないのですけど。

 その動物は植物を食べて生きているだろうが。
 つまり、人間は、米や麦、野菜などの植物のエネルギーを身体に取り入れて生きているわけだね。それは、結局、大地の力をエネルギーとして生きているといえるだろ。植物が大地の力に影響されるということは、植物を食べる動物も大地の力よって影響されるというわけだ。

 なんだ、そういうことですか。
 人間力って、食べ物の力だったのか。
 だったら、ナルホド、人間力は大地の力ですね。

 おいおい、ヤマト君はどうも、先走りがひどいね。
 食べ物の力も、大地の力の一つの要素ではある。しかし、人間と大地のつながりには、もっと深い神秘が隠されているんだよ。
 人間は、植物よりももっと深く大地と関わっているんだよ。

  エーッ!それって、植物と大地のつながりよりも、人間と大地のつながりの方が強いってことですか?
 人間は確かに大地の上に生きていて、植物も食べますけど、植物は大地の中に直接入り込んで生活しているから、人間よりもズーッとつながりが深いと思うんですけど。

 鋭いコメントだね。その点はおいおい後で話していくとして、今は食べ物の話をもう少し進めることにしよう。
 大地の力が植物に化けて、その植物を人間が食べるのだが、実は、それに付け加えて、微生物の力も実に大きいのだよ。

ヤマト: 微生物って、細菌ですか。

 それって、発酵微生物のことかしら?

 そうそう、さすがにココロちゃんは、物知りだね。
 発酵に関わる微生物は主に3種類あって、

 ・カビ
 ・酵母(イースト)
 ・細菌(バクテリア)
などがある。
 これが人間の肉体を整えるのに大事な働きをするのだけど、これだって、大地の産物といってよい。

 そういえば、おばあちゃんのぬか漬けには沢山の乳酸菌がはいっているんでしょ。ぬか漬けを食べるということは、乳酸菌を食べるということよね。

 乳酸菌が大腸を整えるということは知ってるよね。
 ところが、最近の日本人は昔と比べて、漬け物を食べることがうーんと少なくなったんだ。この食生活の変化にともなって、大腸ガンが急増しているらしい。
ファミリーレストランでは、漬け物は匂うし扱いも面倒だからというので、漬け物を出すのを止めて代わりにサラダを出すようになった。その頃から、大腸ガンが増えだしたそうだ。日本人の大腸がんは、50年前と比べると10倍にもなるというのだから深刻だ。
 大腸ガンの急増は、日本人の漬け物離れと共に、食生活の欧米化、とりわけ肉食が増えたことが大きな原因だと思う。
 

 肉食だったら、韓国でも随分焼き肉をたべるでしょ。
 韓国でも、大腸ガンが増えているのかな?

 それが日本ほど顕著な増え方はしていないようだね。
 それはなぜだか分かるかい。アチラの食生活、とりわけ漬け物は・・・・

 (声をそろえて)分かった、キムチだー!

 そう、キムチには、ぬか漬けとは桁違いの数の乳酸菌が含まれている。
 韓国人の大腸は、キムチによって守られているわけだ。

 そうかあ。食べ物って大事なんですね。
 食生活を調えることが、ボクの人間力の基礎になるのだから。

 だったら、ヤマト君、夏休みの宿題として、一緒におばちゃんにぬか漬けの作り方を教わりましょうか。

 それがよい、それがよい。
 糠みそ1グラムの中にいるという20億の乳酸菌類と仲良くすることから、人間力を考えることだね。
 人間は、大地を食べて生きているのだから、食生活が乱れていては、大地の力を十分に取り入れることができない。食生活の乱れは、人間力の衰退の一大原因であるといってよい。
 次回は、その点について、もう少し深い話をしてみよう。

 日本人の死因の第1位は、がんである。
 がんの中でも、第2位の大腸ガンは、50年前と比較すると10倍にも増えている。
 厚生労働省は、2015年には大腸ガンが1位になると予測している。
 食生活の乱れによって、日本人の肉体がぼろぼろになってきている。
 人間力の衰退の一大原因が食生活の乱れである。

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親子で学ぶ神道読本(一)父と母と産土の神
(小学生でも読めるようにルビを振り、やさしく解説。)

日本神道と太陽の新時代(神道・日本語・日本文化)

日本語の精髄アップダウン構造


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