遠くの神社より産土神社を

店舗開業を控えた人が、事業の繁栄を祈って神社参拝を思い立ちました。
何か事があると人間は神様を想うようで、自分の店を開業ということになった人も、何やら神参りをしたくなったと見えます。
そこで彼は、遠くの有名神社へ参拝しようとしました。有名で、参拝者が多数集まってにぎわっているから、御陰もたっぷり戴けると思ったのでしょう。
ところが、これが世間一般の人々の良くやる間違いと言わねばなりません。
自分の住んでいる土地の産土の神をさしおいて、遠くの有名神社へ参るのは、筋違いであります。それでは足下が固められません。

日本全国、どの町、どの村へ行っても神社が置かれ、その土地の産土の神が祀られています。
人間の都合で祀られている御神名はどうであっても、産土神社として働きが生きているのであれば、そこには産土の神座(かみくら)が置かれています。
その土地に住む人々は、何を置いてもその産土の神をこそ礼拝申し上げるべきであります。
土地に住むということは、その土地と縁を結んでいると言うことです。
その土地の産土の神と縁を結んでいるということです。
これをないがしろにして、遠くの立派な神社を貴ぶというのは、本末転倒であると知るべきでしょう。
初詣もまたしかり。
まずは地元の産土神社にご挨拶を済ませてから、縁のある遠くの有名神社を訪れるのが筋目というものでしょう。
【参考】 初詣は先ず産土神社へ